小さな国語塾のつぶやき
言葉の意味
酒井駒子さんの「ぼくおかあさんのこと・・・」という絵本がある。とても人気のある絵本で、長年のロングセラーになっており、「ああ、あのウサギさんが表紙の!」とピンと来る人も多いのでは。さて、内容は「ぼく、おかあさんのこと・・・キライ!」というセリフから始まるこの絵本。「ねぼすけで日曜日の朝はいつまでもいつまでも寝てるし、ドラマばかりみてマンガみせてくれないし、すぐ怒るし・・・。何より、ぼくとは結婚できないっていうし!etc.」。「ぼくおかあさんのこときらい」というのは実は「大好き」の裏返しであることは絵本を最後まで読むと、これでもかと伝わってくる。だが、「キライ」だけに着目し言葉通りに取ってしまうと大きな誤解を読んでしまい、そこが日本語の難しいところ。さて、「アナと雪の女王」という映画が大ヒットするのと同時に「Let It Go~ありのままで~♫」という歌や言葉も大ヒット!これも「あなたが、ありのままの姿で存在すること自体が素晴らしい」と意味しているが、決してこれは「今の状態で成長しなくてもよい」とはならない。存在自体は素晴らしいが、このまま立ち止まって満足してしまうことを推奨しているのではないよなあ・・・と最近よく思う。短い言葉だけが独り歩きしがちだが、前後の背景などをきちんと把握し言葉の本質をつかむことが大切。
2015/10/01 11:34
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