小さな国語塾のつぶやき
食事の挨拶
「ある小学校の保護者が、『給食費を払っているのだから、うちの子どもにいただきますと言わせないでほしい』とクレームをつけた」という話がある。お金を払ってる、払ってない云々ではなく、そもそも「いただきます」はいのちへの感謝!食べるということは、動物や植物などの「いのち」をいただく行為。その「いのち」を頂戴していることに対して感謝と敬意をあらわし「あなたのいのちをわたしのいのちにさせていただきます」といった意味が込められているのでクレーム内容がおかしいということは常識がある人ならばすぐに分かることだろう。さて、逆に意外と見落とされがちなのが「ごちそうさま」という言葉。食事を始める時は一緒でも食べ終わるタイミングが各自ずれる為、特に家庭では「ごちそうさま」を言わずに終わってしまうことも少なくないかも?「ごちそうさま」は、漢字で「ご馳走さま」と書き、「馳」「走」のどちらも「はしる」の意味。昔は今のように食材が簡単にお店で買えるわけではなく、お客さまに食事を出すために馬を馳せたり、自ら狩りや収穫をしたり、それこそ走り回ったそうである。そこまでして用意してくれた人に対して感謝の気持ちを表した言葉が「ごちそうさま」なのである。確かに今は昔よりは容易に食材は手に入るが、それでも用意してくれた人への感謝の気持ちは持ちたいもの。最近、どんどん新しい言葉が生まれ死語が増えつつあるが、「いただきます」「ごちそうさま」は末永く使いたい言葉。
2015/08/18 03:31
-
-
コメントするには会員登録後、ログインが必要です