小さな国語塾のつぶやき
主従の絆
平家物語を読むと涙が込み上げてくる、なぜなら昨日書いた「武士道精神」のみならず「主従の絆」に対して感極まるからである。むろん、ン十年前の中学生時代はそんな悠長なことは言えなかったが。真実のほどはさておき、鎌倉時代においては「主従の絆」が強かったと言い伝えられている。例えば、源義経の家来である武蔵坊弁慶。義経を守るために幾つもの矢に射ぬかれながら立ったまま往生を遂げ、後に「弁慶の立ち往生」という言葉が残る(義経は自害)。 また、木曽義仲と家来である兼平が共に敵から逃げていたが、もはや逃げられないという状況になった時、兼平の義仲への苦しいいたわりの気持ち、美しい主従の絆が書かれている。名誉のために主人に自害を勧め、自分も後で自害するのである。つまり義仲の最期の場面のテーマは「主従の絆」であって、決して「敗北への無念」「勝利への執着」ではないのである。先日、バックグランドを知らない中学生がこぞってテーマを問う四択で間違えてしまった・・・。「平家物語」の大きなテーマは無常観ということと、武士道という精神、主従の絆を押さえておくべき。
2015/05/10 04:39
-
-
コメントするには会員登録後、ログインが必要です