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小さな国語塾のつぶやき

言葉の変遷

昨日、車を運転中にNHKラジオを聴いていると「死語」についての特集が流れていた。若い人たち(~20代?)は「はすっぱ」という言葉を知らず、「はずっぱ」はほとんど死語になっているとか。ちなみに自分自身は古い人間なので「はすっぱ」の意味は知っている。「はすっぱ」とは「女性の態度や動作が下品で慎みのないこと、また浮気で色めいてみだらな女性をいう。転じて、思慮の浅い軽はずみなこと、言動の慎みがなく、浮薄なことをいうようにもなる。」(コトバンクより)。昔から変わらず使われている言葉がある一方、死語になるものもあれば、長年にわたって意味が変化ていく言葉もある。さて、長年にわたって意味が変化した言葉の一つが「いたづら」だ。現代では「悪ふざけ」という意味で使われるこの言葉。古語では①むなしく②無駄に、となる。昨日の中学生クラスで短歌について学習し、その一つに「いたづら」が使われていたので生徒たちに紹介した。

 花の色は うつりにけりな いたづら
   わが身世にふる ながめせしまに   小野小町(9番) 『古今集』春・113

(現代語訳)桜の花の色は、むなしく衰え色あせてしまった、春の長雨が降っている間に。ちょうど私の美貌が衰えたように、恋や世間のもろもろのことに思い悩んでいるうちに

いつも書いているように、現代語と古語では表記が同じでも意味が違うことが多いので要注意。生徒たちは「いたづら」が「むなしい、無駄に」という意味だといきなり言われても「???」だった。ただし「いたづら」が「無駄に」という意味は現代でも残っており「いたづ(ず)らに時間だけが過ぎていく。」という表現を紹介すると納得してくれた。ホッ。「いたずらに時間が過ぎていく」という表現は小説などによく用いられているので、読書好きのタイプは意外と自然に身に付いている言葉。日本人だからといって日本語が完璧と言うわけでは無論ない。だからこそ少しずつ慣用表現、中学生以上は古語を一つ一つしっかりと覚えていくことが大切。覚えた言葉が数年先には死語になっているかもしれないけれど、それはそれで言葉の変遷を体感できるので良しとしよう。

2018/04/26 13:29

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