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小さな国語塾のつぶやき

「花月草紙」くすしの先見

「花月草紙」という江戸時代に書かれた随筆がある。作者は松平定信という国学者・・・。8代将軍、徳川吉宗の孫であり「寛政の改革」を行った老中として有名である。さて、その「花月草紙」の中に収められている「くすしの先見」は、なかなか興味深い内容だ。テキスト内ではテーマを選ばせる問題があり、答えは「人間は実際に苦しい目にあわないと、他人の助言や忠告のありがたみが分からないものである。」が正解で、紛らわしい選択肢としては「良い医者とは治療より予防を重視するものである。」となっている。個人的には「先見」については素直に受け入れて難を免れるよう心がけたいものだと、解釈した。「くすしの先見」の内容は次のようなもの。「一人目の男は医者に病気を予見されたが信用せず放っておいた所、本当に病気になったため結局、他の医者にかかって治した。二人目の男も医者に病気を予見され、疑いながらも薬を飲み病気にはならなかった」というお話。病気を予見した名医に背を向け、まぐれ当りの薬を与えた医者を命の恩人と思い込む男と、同じく病気を予見した名医の薬を飲んでおきながら、その効能を無視して自分の予想通り病気にならなかったと主張する男の言動をそれぞれ描く事で松平定信は、二人の男の視野の狭さ、先見を持つ事や先見を持った者に従う事の重要性を見事に描き出している。つまり聡明な人であれば素直に先見の持ったものに従い、従うことによって難を逃れることが出来たことに気づくはずなのだが・・・。医者に限らず「先見」と言えば「占い」も当てはまるかもしれない。「このままだと××になりやすい。だから○○したほうがいい」とアドヴァイスされた場合、そのアドヴァイスに従って○○して難を逃れた場合に「占いのおかげで助かった」と思う人もいれば「××にならなかった、実は占いは外れた」と思う人もいるだろう。それは同じ人間が2パターンを同時に体験するとが出来ないから。例えば「何の対処もせずに××な目に合う自分」と「○○という対処をしたおかげで××にならずに済んだ自分」を明確に比べることが出来ないから。さらに厄介なのが医者、占い師共に力量に差があることも、素直に助言に従ったり、助言のおかげ・・・と思うことが出来ない一因となる。その点、教育産業の場合は「本人に合う指導+本人の努力」があれば成果が出るので「助言通り」と受け止められることは有難い。でも、どの分野でも「自分にピッタリの助言」をしてくれる人を探すことが一番難しいのか~と「花月草紙」を読みながら、ふと考えた。

2018/04/07 02:40

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