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小さな国語塾のつぶやき

「空海ーKU-KAI-美しき王妃の謎」

今日は「空海ーKU-KAI-美しき王妃の謎」を観てきた。春休みということもあり中高生らしき姿が目立ったけれど、若い子たちは「空海」ではない映画を観に来ているようでシアターはガラすきだった。結論と言うを「観てよかった!」。原作者である夢枕獏氏の大ファンの自分にとっては楽しくないわけがないという期待はあったのだけれど、期待以上だった。なぜなら詩人、白居易や李白が登場したからだ。特に白居居は「長恨歌」を書くべくして空海と共に謎を解いていくという役割で登場し、李白は大酒飲みであったというエピソードも描かれており本当に興味深かった。「長恨歌(唐代の玄宗皇帝と楊貴妃のエピソードをうたった長編の漢詩)」をはじめとする白居易の漢詩は平安時代以降の日本文学にも多大な影響を与えた。枕草子の中の「高炉峰の雪」のエピソードは白居易の「白氏文集」を勉強していたからこそよ!という気持ちがありありの作品だ。ちなみに「長恨歌」の「恨」は「ひどい仕打ちを受けたので仕返しをしてやろう」という意味ではなく「残念に思う」という意味だ。「思いを伝えきれない恨みがある」や「痛恨の念」(=取り返しが付かないこととして、非常に残念に思う気持ち)というときの「恨」なのだ。ところで白居易は日本では字《あざな:中国で成人男子が実名のほかにつけた名》の「白楽天」で呼ばれることも多いが、白居易は自分を激励するために「楽天」という字《あざな》を名乗ったそうだ。「樂天知命(運命を信じ、今の地位境遇に安んじてあれこれ悩まないこと)」、将来どんな困難に遭おうとも気持ちを落ち着けて慌てず騒がず冷静に処理し、自分のことは棚に上げて他人や周囲のせいにしないことを願ったのである。このあたりのことも当然、夢枕獏氏は調べ上げたうえでのストーリー作りをされたようで、映画内の白居易は「明るくて勉強家」という雰囲気で描かれており、役者さんの雰囲気もぴったりはまっていた。正直言って阿倍仲麻呂がなぜ阿部寛なのか?ということだけが少々腑に落ちなかったけれど。苗字が同じだから、シャレのつもりで起用した?とあほな詮索までしている。何はともあれ、ちょっとした知識があれば思う存分楽しめる内容だと思ったけれど、唐の時代についての知識が全くない状態だと少々退屈?今後、見に行ってみようかなあと思われる方は少しだけ「唐の時代」についての予習することをお勧め。

2018/03/20 17:13

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