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小さな国語塾のつぶやき

逢坂の関

最近、新中一年生を対象に古文の先取り勉強をしている。まずは「読み方」、ハ行をワ行に変換して読むことは皆すでに知っているけれどそれ以外の決まりについては当然、初めてなので一覧表にしたプリントを渡し、百人一首を何枚か準備して実際に読む練習をしている。例えば母音で「アウ」→「オウ」とハ行を組み合わせたものとしては次のような一首を用いている。「逢坂(あふさか)」→「アフ」→「アウ」→「オウ」のように。

 

(例)これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂(あふさか)の関
           蝉丸(10番) 『後撰集』雑一・1089

 

(現代語訳)これがあの、京から出て行く人も帰る人も、知り合いも知らない他人も、皆ここで別れ、そしてここで出会うと言う有名な逢坂の関なのだなあ。※逢坂の関は京都の周囲に三箇所あった関所のうちのひとつで現在の京都府と滋賀県の間あたりにあった。3月は別れの季節、卒業のシーズン。4月からは別々の学校に進学していく学生達、新たに社会人になる若者達、会社の配置転換も多い季節。とはいえ、今は昔と違い物理的には遠くに離れてもネットやSNS、電話などなどでいつでもどこでもつながることができる。昔は一度別れたらもしかすると「今生の別れ」ということが少なくない。それゆえ昔の歌人たちは仏教の「会者定離(えしゃじょうり)」(意味)「この世で出会った者には、必ず別れる時がくる運命にあること。この世や人生は無常であることのたとえ」をこの歌に感じ、無常感をここに見たのだ。逢坂の関は出会いと別れを象徴する、人生そのものを暗示している。今のご時世、物理的距離による「別れ」は昔ほどには「無常観」ともいえる出来事ではなくなりつつあり、逆にいうと今は「出会い」と「別れ」の両方の機会が格段に増えているとも言える。つまりは簡単に出会うことができると同時に簡単に別れることができる、その中で「これは!」と思える出会いは大切にしていきたいなあと思う今日この頃。来年度はどんな素敵な出会いがあるか?と今からワクワクしている。

2018/03/17 12:15

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