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小さな国語塾のつぶやき

「糟糠の妻」

今日、1月31日は「愛妻の日」だとか。なるほど1月の数字をアルファベットの「I(あい)」と呼んで31を「さい」としたのだろうとすぐに想像がつく。「愛妻」という言葉を聞くと「糟糠の妻(そうこうのつま)」という慣用句が思い浮かぶ。「糟糠の妻」とは「粗食をともにし、貧苦を分かち合ってきた妻女をいう。意味は「(糟ソウ)は酒粕(さけかす)、(糠コウ)は糠(ぬか)の意で粗末な食物のこと。中国、後漢(ごかん)の光武帝の姉湖陽公主が夫に死別してのち風采(ふうさい)・人柄ともに優れた大尉の宋弘(そうこう)と再婚したいと願ったため、帝が公主を物陰に隠して宋弘に『人も富貴になれば妻をかえるのが普通だから、かえてみてはどうか』といったところ『貧賤(ひんせん)の交わりは忘るべからず、糟糠の妻は堂を下さず(見捨てない)と聞いております』と答えたため帝は公主に『この望みはかなわぬことだ』と告げた、と伝える『後漢書(ごかんじょ)』【宋弘伝】の故事による。[日本大百科全書より]。ここから「糟糠の妻は堂より下さず(粗末なものしか食べられない時期に苦楽を共にした妻は、立身出世しても離縁して家から追い出すわけにはいかないこと。」という慣用句が出来た。さて、今や「離婚」が一般的になっている、結婚そのものの形態が多様化している(事実婚だが籍を入れないなど)ご時世に上記の慣用句は若干古く感じるかもしれない。それでも個人的にはこの慣用句は好きだ。なぜなら「糟糠の妻は堂より下さず」と言い切れるような男性って素敵だなあと感じるから。自分の奥さんのことを本気で人格否定したうえでほかの女性をほめるような男性には全く魅力を感じない。自身の著書で奥さんのことを「悪妻」と書いている、お茶の水女子大学名誉教授 哲学者 エッセイストである土屋賢二氏のようにユーモアを交えて誰が読んでも(聞いても)半分は嘘(冗談)と分かるようなネタであれば大歓迎だけれど。自身の妻を堂々と「素敵な女性です」と言い切れるような男性のことは人間として尊敬するし、一緒に仕事をしたいなあと思う今日この頃。

2018/01/31 16:14

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