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小さな国語塾のつぶやき

「いい加減」が「良い加減」

小論文や面接では「自分の意見を完璧に」伝えなくては!と頑張っている中高生。その意気込みは素晴らしいのだけれど、正直言ってもっと肩の力を抜いて「いい加減」さも持つほうが意外といい結果につながる?と思う今日この頃。先日、受験校の小論文過去問題に取り組んでいた生徒。ある年の分を課題として出していたところ、途中まで自力で書いて持ってきた。その課題とは①あるテーマについて具体例を3つ挙げる。②その具体例3つの中から1つを選んで、問題点とその問題点に対する見解を述べる、だった。生徒は①を完璧に仕上げ、②を頑張ろうとしたものの途中で手が止まってしまったとのこと。それゆえ続きをどんな風に書いたらいいか?と相談したかったようだけれど、思わず「別の具体例に変えよう。結論を言うと書きやすいネタの方を選んでね。」と伝えた。生徒本人としては「書きやすい」ではなく「面白そう、興味がある」という視点から選んだようだが、たまたまその題材が一般的には普及していない仮想のもの、つまり生徒本人が見たことも触ったこともないものだったのでどうしても論があやふやになりやすい(実際に手が止まった)、具体例を挙げることが困難・・・という理由から「書きやすい」方を選ぶように指示した。もしもこれが何日もかけて取り組んでもいいレポートならばともかく、120分という限られた時間に小論文を書かなくてはならない、しかも頼れるのは自分の経験や知識のみ・・・となると「題材」が複数ある場合は「書きやすいもの」を選ぶのがベター。そもそもが抽象的なテーマを選んだ場合、言い換えると「未踏の分野、道」に足を踏みいれるようなもの。ラッキーなことにどんどん発想(道)が広がればいいけれど、もしかすると目の前は行き止まりかもしれない、高ーい山がそびえているかもしれない。そういう場合は無理してそこを突破しようともがくよりも早めに引き返す勇気も必要か。これは小論文や面接に限らず、勉強法もしかり。最初に立てた計画に無理が生じた場合や、今現在のように入試までのカウントダウンが始まっている場合は「いかに捨てるか」「いかにいい加減にして、必要な部分を見分けるか」が大切。

2018/01/29 17:38

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