めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
「カタカナ」だけの作品
今日は「写真と言葉 ココロノマドテン」に行ってきた。場所は喫茶店内のギャラリー、個展初日だったため作者である友人が喫茶店内に常駐していたのでまずは腹ごしらえ~とばかりに美味しいランチを頂きながら友人とおしゃべり、個展に使われたハンコや手作りハンコなどなどを見せていただいた後に奥のギャラリーでじっくりと作品を鑑賞した。一言でいうと「面白い!不思議な世界」だった。何がか?写真の下にある心のつぶやきがすべてカタカナだったことがとっても新鮮で斬新だった。ひらがなばかり・・・というのは絵本などで見慣れているけれど・・・。写真+カタカナだけ、しかもそのカタカナは一つ一つカタカナハンコで押してあるので微妙なズレがあったりしていい味を出している!カタカナだけの文章には全く慣れていないため一文字一文字しっかりと読む☞自然と言霊として写真とともにしっかりと心に響いてくるのだ。いやはや、さすがとしか言いようがなく、本当の本当に素晴らしいひと時を過ごさせていただいた。友人には感謝感謝。さて、昔はカタカナがひらがなよりも重んじられており、公文書も漢字とカタカナで記載されていた。大日本帝国憲法も漢字とカタカナで記載されており、女流文学として「ひらがな」が広まったのに対しカタカナは実務の中で必要とされていったようだ。また、現存する古文書の中でカタカナのみで表記された文章が多いのが、神様に誓いを立てるときの起請文(きしょうもん)や、神様に願い事をする願文、それに神様の声を聞き取った託宣文だとか。公文書を全てカタカナで書くというのは少なかったようだが、裁判において証言を記録する宣命書(せんみょうがき)にはカタカナが多く見られる。にもかかわらず今は日常生活では漢字とひらがながメイン、外来語はカタカナで表記されるようになっている。なぜかを調べてみたけれどはっきりとした理由はないようで・・・女性が使っていた仮名文字(ひらがな)が、より日本らしい美しさを持つと判断されたせいなのかもしれない。芯の強さを持ち合わせている友人には、今回の個展の作品はカタカナがぴったりだ!
2018/01/23 19:46
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