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小さな国語塾のつぶやき

「鬼」≒「神」

古くは「神(かみ)」と「鬼(オニ)」は同義だったと昨日付けの朝日新聞に紹介されたことをブログに書いた。なるほど、だから荒々しく恐ろしい神のことを特に「鬼神(キシン)」といい強い侍や見事な戦いぶりに対しても使うんだなあと納得。また「桃太郎」を代表として、昔ばなしでは「鬼」≒「悪い」というイメージだが鎌倉時代の教訓説話である「十訓抄」では「鬼」は不思議な存在として描かれている。決して「悪い」「怖い」存在ではない。「十訓抄」十の二十( 博雅三位 朱雀門の鬼の笛)などは本当に興味深い。あらすじは「(音曲の天才として名高い)源博雅の三位が、月の明るかった夜に、直衣(男性貴族の普段着)で、朱雀門の前でそぞろ歩きして、一晩中笛を吹いていると同じように直衣を着た男が笛を吹いていた。その笛の音が、この世のものとは思えないぐらいに素晴らしく、博雅も笛の主も物言わずに互いに吹きあっていた。それから、月が美しい夜ごとに(朱雀門で)行き会って笛を吹きあった。その男の笛の音があまりにもすばらしかったので博雅は自分の笛と取り替えて吹いてみたところ、この世にほかにないほどの優れた笛だった。その後、たびたび月がきれいな頃に(朱雀門で)行き会って(笛を)吹いたが、(その男が)『もとの(私の)笛を返してください。』とも言わなかったので、長く取り替えたままですんでしまった」。ちなみにこの話は高校入試にもよく出題されるの毎年受験生には問題集からピックアップし、時代背景などなど説明してから演習している。この話の興味深いところは「鬼」≒「神」だからこそ「鬼」は人知を超える音色を出す笛を持っていること、風流を解せるということだと思う。ちなみに小説「陰陽師シリーズ」(夢枕獏氏)では源博雅と陰陽師である安倍晴明は親友という設定で描かれているけれど実は二人は同時代に活躍はしたものの、親友という間柄ではなかったらしい。それでも源博雅が楽器の名手であったこと、鬼≒神であることを下地にして清明が目に見えない「鬼」と戦うときに博雅を連れ笛を吹くことによって鎮めるという場面を夢枕氏は創作している。恐れ多くも「陰陽師」というハンドルネームを使っている自分としては「鬼」≒「神」は本当に興味深い。

2018/01/11 23:21

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