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小さな国語塾のつぶやき

新「強意語」

【2月には節分を迎えますが、「鬼」をつけるのも最近の新しい強意表現の一つです。「とても。やばいくらい(現代用語の基礎知識)を意味し、「鬼強い」「鬼速い」のように形容詞の前につく例が多いようです。(中略)風神や雷神などの荒ぶる神が鬼の姿で描かれるように、古くは「カミ」と「オニ」は同義だったといいます。(2018.1.10 朝日新聞15面「ことばの広場」から抜粋)】この記事を今朝読んだ時に、なんとなく不思議な気がすると同時に面白い現象だなあと思った。何が不思議かというと知らずのうちに「鬼」のもともとの意味(神という意味がある)を使って新しい表現をする若い子たちのセンスに対して。自分は言葉に限らず、あらゆることについて語源や元々の由来や意味を知ったうえでアレンジするタイプだから純粋にセンスのみによって新しい言葉やファッションなどを作り出す若さというパワーには感服する。さて、似たようなことが先日あったなあと思いだした。先週、中学生男子がホワイトボードに必死でなにやら書いている。よく見ると「卍」!なぜ突然に「寺」を表す地図記号を書くのだろう?と思いながら黙ってみていたところ…書き終わった彼が「やったー!ようやく上手に書けるようになった」とご満悦。てっきり学校で地図記号の小テストでもあるのだろうか?と相変わらずボケている陰陽師。それから2,3日後に偶然にネットニュースで「卍」の新しい意味を知ることになる・・・。寺を示す地図記号で古くヒンズー教や仏教でめでたいしるしとされてきた「卍」が今、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で若い世代、特に女子高校生により昨年後半から頻繁に使われているということを。昨年末には三省堂辞書の編集委員らが選ぶ「今年の新語」の候補にもなったとか。どうやら「卍」の発音「まんじ」→「マンジ」→「マジ」(すごい)という意味で使われているらしい。つまり、先の「鬼」と同じく強意表現の一つとして頻繁に活躍しているそうだ。うーん、さすがにここまでくると完全についていけない・・・。古文の「強意表現」は「いと」!それが流行語になると古文に親しむ若者たちが増えるのでは?でもそうは問屋おろさないか・・・と妄想中。

2018/01/10 15:40

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