めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
「胆力」
「一生に一度は千載一遇のチャンスがある。これをつかまえるには、鋭い見識と周到な注意力と、大胆な胆力(たんりょく)が必要なのだ。」(岩崎弥太郎:三菱商会という海運会社を経営し、のちの三菱財閥の基礎を築いた。)この言葉を昨日付け(2018.1.7)の中高生朝日新聞の一面で見た。さらに記事には次のような解説がある。以下引用「河合さん(※歴史作家の河合敦氏のこと☜陰陽師注釈)は『チャンスをつかむのが偉人。つかまないのは凡人』とこの言葉を解説します。『胆力とは勇気という意味。目の前に大きなチャンスが来ると怖くもなりますが、迷うことなく勇気を出してつかんでほしい』」(引用終わり)。この記事を読んで、個人的には「胆力」に関しては「覚悟」だととらえた。とはいえ一般的に説明する、ましてや中高生に分かりやすく説明するには「勇気」という表現がベストだろう。ただし・・・勇気もって目の前のチャンスをつかむだけではなく、つかんだ後にそれらを引き受ける「覚悟」があるか?が勝敗を分けると個人的には思っている。折角のチャンスを勇気をもってつかんだとしても「やっぱり怖い・・・。やーめた」とすぐに手放すと結局はチャンスを棒に振ることになるから。と同時に「大胆不敵」という四字熟語を思い出した。「大胆不敵」の意味は「度胸がすわっていて、まったく恐れないこと。「大胆」は度胸があって物事に気後れしないさま。「不敵」は恐れを知らず敵を敵とも思わないこと。」だが、「大胆不敵」の状態、「まったく怖れがない」って果たしてどのぐらいあるのか?もしもあるとするならば相当の訓練をして場数を踏んだ状態かあるいは単なる自意識過剰か?少なくとも自分自身は完全な「大胆不敵」の状態にはなったことがない。でも「大胆不敵」な状態になることが目的ではなく「大胆不敵」のフリをすることこそが大切かなあと自分自身には言い聞かせている。本当に胆力があると怖くても勇敢でいられる、恐怖の向こうに自分が求めているものがあると分かっている強気でいることができるから。「怖さ」「恐怖」をも引き受ける覚悟、そして「怖さ」「恐怖」を感じて認めながらも勇敢に勇気もって立ち向かうことこそが「胆力」に他ならないと思う。今年は「胆力」を鍛えることも目標のうちの一つ。
2018/01/08 18:09
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