めむろ国語専門塾
- ブログ
小さな国語塾のつぶやき
つながり≒クリスマスプレゼント
今日の午後に車中でNHKラジオを流していると・・・「つながり」というテーマについて視聴者からの意見を公募し紹介していた。「つながり」と一言で言っても人それぞれ感じ方やとらえ方が違い、十人いれば十通りの「つながり」があるだろう。では、自分の中での「つながり」は?!数多くあるけれど、その中の一つは「つながり」≒「連鎖」≒「リレー」≒「パス」というイメージだ。このような図式が成り立つ理由として、先日興味深い文章を読んだことが挙げられる。一部ここで紹介する。「パスを受け取ったら、次のプレイヤーにパスを回す。自分のところにとどめてもいけないし、パスを送ってくれたプレイヤーにそのまま戻してもいけない。次のプレイヤーにパスしなければならない。クリスマスプレゼントも同じです。親から受け取った贈り物を返す相手は自分の子どもです。」(「困難な成熟」内田樹著 2015.9.11第一刷発行P225より引用 ※内田樹氏は思想・武道家、神戸女学院大学名誉教授)。これを読んだときに「なるほどなああ」と妙に納得すると同時に、クリスマスプレゼント≒キリスト教のお祭りの一環ではなく、いわゆる「恩送り」なんだなと感じた。さらに言うならばクリスマスプレゼントに限らず「知識」「智恵」のつまった古典こそまさに先代から伝わってきた贈り物だと言えるだろう。内田氏はこうも書いている「プレゼントについて子どもたちは事前に『こんなものが欲しい』という申告をなすことを許されるのだが、必ずしもそれがそのまま与えられるわけではなく、微妙に『欲しいもの』と『贈り物』がずれる。でも、それは『欲しいと言ったものがそのまま来た』場合よりも、なんとなく『クリスマスっぽい』と言う印象を子どもたちに残します。」(前著 P223より引用)。まさにその通りだと思う・・・。よって、今週は生徒たちは先人の教え、知恵という贈り物が詰まった「ことわざ」「短歌」「慣用句」などの本をクリスマスプレゼントとして配っている。喜んでくれると嬉しいのだけど・・・そしてそれらから身につけた智恵などを次世代に送ってほしいと思う。
2017/12/20 19:28
-
-
コメントするには会員登録後、ログインが必要です