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小さな国語塾のつぶやき

「思いやりの嘘」

十訓抄に次のような話がある。【白河院が天皇であったご時世に、九重の塔の金属の部分を牛の皮でそれらしく作ったということが世間のうわさになり、修理の責任者である藤原定綱が、(白河院から)罪に問われるらしいということが伝わってきた。仏像作りの誰それという者(仏師)が事の真偽を確かめるよう仰せつり、九重の塔に上ったけれど途中で下りてしまう。涙を流して顔色を失って「命があるからこそ、白河院にもお仕え申し上げられる。正気もなくして、黒白の見分けもつかない気分です」と言ったそうで、白河院はお笑いになって特別な処罰も行わずそのままで終わってしまった。世間の人々は仏師のことを馬鹿にしたけれど、誰かが(この場合は定綱)処罰されるかもしれないことを避けるために仏師は愚か者のふりをして人の命を助けたということを顕隆卿は見抜いてほめた。この仏師は長く院に仕えた。】古文中には仏師の気の回し方、思いやりの嘘を顕隆卿が見抜いたという記述しかないけれどおそらく白河院も見抜いていたに違いない。それが証拠に①九重の塔の金属部分が本物かどうかを別に人に確かめさせることをしなかった。②仏師を長く仕えさせたから。実は20年前に似たようなことがあった。当時家庭教師として女子高生を教えていた。彼女は松田聖子の大ファン、それゆえ両親が彼女にクリスマスプレゼントとして松田聖子のディナーショーのチケットをプレゼントすべくして数時間電話をかけ続け2枚ゲット。そしてそれを娘には「本当はお父さんとお母さんがディナーショーに行くつもりだったけれど、既に予定が入っていたのを忘れていた。だからあなたと家庭教師の先生で行っておいで。」と渡したのだ。それを真に受けた彼女は「先生!ひどいと思いませんか~~~?そんなわけでぜひ一緒にディナーショー行ってください♡」とのこと。彼女は両親の言葉を真に受けていたので、家庭教師の先生や娘に気を遣わせないためにご両親がわざと嘘をついて下さったんだよと言ったうえで有難くチケットをいただいた。お気持ちのこもったプレゼントのコンサート、おかげで一生の思い出となっている。「思いやりの嘘」を上手につける、またそれを

2017/12/14 17:33

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