めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
文体模写の才能
文豪や著名人など、100通りの文体でカップ焼きそばの作り方が書かれた「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら 」シリーズ本が話題になっている。本屋さんに山積みになっているのを見かけ、買おうか迷ったけれど…買わなかった。なぜならば自宅には「積読」状態の本が多く鎮座しており、読む余裕がないと思ったから。でもひょんなことから気が変わったので近々手に入れて移動中の合間などに読もうと今から楽しみだ。さて、なぜ気が変わったか?!ブログやメールで文体模写された文章を目にして思い切り笑え、そして感動し文体模写の才能をお持ちの方々に尊敬の念を抱いたから。同じ内容を発信するにしてもフツーに、その人自身の日常的な言葉を使うのと別の人間になりきったり、とある地域の方言だけで語るのとでは受ける印象が全く全く違ってくる。ひと工夫凝らした表現に触れるのはとっても新鮮だ!まだ「もし文豪たちが・・・」シリーズを手に取っていないので果たして本当に文豪らしい文体模写になっているのかは確認できていないけれど少なくともこういうタイプの本から文豪を身近に感じ「こんな真面目な文体の人ってどんな本を書いているのだろう?」と文豪の作品を直に手にする人も出てくるだろう。つまり、きっかけは何であれ文体模写の作品は文豪の作品に触れるきっかけにもなりうることが素晴らしいと思う。かくいう自分自身も2年前のちょうど今頃に「少しでも古文への嫌悪感をなくしてほしい」と必死でディズニーのクリスマスにふさわしい歌を古文に翻訳したことを懐かしく思い出す。話を戻して、先日「お、これ面白い!」と思えた文体模写は、いつもお邪魔させていただいている「りりおん」様のブログ中の熊本弁で書かれている「山月記」の要約(12月5日付のブログ)!思わず素晴らしい~~~~と何度も何度も読み返した。こんなにも完璧に要約し、それを熊本弁で表現なさるとは流石だなあとただただ感心している。りりおん様のブログを読むと分かるけれど、とても文才がある方。だからこその芸当、いやお見事。さてもうひとかた、素晴らしい文体模写のメールをくれたのが先日病気治療のために入院しており無事に退院した友人。ふざけて「娑婆(シャバ)の空気はいかに?」といったメールを送ったところ、ちゃっかりとその筋の人になりきって独特口調のメールを送ってくれて思い切り笑わせてもらった。いやはや、世の中には才能ある人がいるもんだなあと改めて感心しきり。
2017/12/11 03:40
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