めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
大和撫子
先日、ある女性のことを説明するために「一言で表現すると大和撫子(やまとなでしこ)のようなタイプ。」と生徒に言ったところ「??」の反応。つまり「大和撫子(撫子《ナデシコ》の花のように、繊細で可憐だが芯は強い女性のこと、女性に対する誉め言葉。)」を知らない・・・。慌てて「大和(やまと)は昔の日本の呼び名で、撫子は・・・・」と拙い絵を描いて必死で説明したのだけれど( ゚д゚)・・・。ああ、今の子は「なでしこジャパンサッカー(日本女子代表チームの愛称、日本女性を表す「大和撫子(やまとなでしこ)」という言葉から、世界にはばたくことを願い大和をジャパンにかえてつくられたもの)」は知っていても語源となった「大和撫子」は知らないんだなあとジェネレーションギャップを感じた。当然「日本男児」も知らない、かろうじて「光源氏」に関してはアイドルグループではなく「源氏物語」の主人公ということを知っておりホッ。☜ゲームの登場人物として出てきたらしい。新しい言葉が次々生まれ、古い言葉は死語になっていくのは仕方ないと思うけれど・・・それでも美しい言葉やいわゆる「大和言葉」は残し、使っていきたいものだと個人的に思っている。さて、年上の友人の中にまさに「大和撫子」という表現がぴったりの女性(関東在住)がいる。とにかく何でもお出来になり、それを決してひけらかすことなく、気配りが本当にお上手で美しい大和言葉をお使いになる方。彼女と共通の友人(こちらは北海道在住)が近々病気治療のため入院するという話を我々は共に聞いていた。どのくらいの期間の入院なのか等の詳細は分からないため自分自身は、敢えてそっとしておこうと決めていた。すると関東在住の大和撫子は入院期間など分からないけれど、もしも長期に及ぶならば退屈するだろう、でも体調によっては本を読む気力もないだろう・・・等を考慮して病気治療予定の友人が興味を持っており、間違いなく喜びそうな写真集、作品集を送ったそうだ。そのことを、送られた友人のブログで知り、大和撫子タイプの彼女に「○○さんのブログにプレゼントのこと紹介されており、とっても喜んでいました!」と伝えると「良かったです。差し出がましい(おおっ、でた!『余計なこと』と言う意味の大和言葉)かしらと気にしていましたが、それを聞いて安心しました。」というお返事が。病人に対してそっとしておくのも思いやりと高をくくっていたけれど、関東在住の友人の計らいにはただただ脱帽する。本当に見習いたいべき点が多い素敵な、人生の先輩でもある大和撫子である。
2017/11/30 03:50
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