めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
「面倒くさい」は悪い?!
某生徒がお月謝を今月分と来月分をまとめて持参してくれた。一緒に確認して目の前で領収印を押し「先の分までいただいてしまって・・・有難う。」とお礼を言ったところ、その生徒が「我が家は皆、面倒くさがり屋なんです。それゆえすぐに忘れてしまうことが多く、忘れるぐらいならば先にお渡ししておこうと思ったんです。」とのこと。「面倒くさい」とは辞書には「手間や困難さを考えて気が進まない。面倒である。億劫だ。」(実用日本語表現辞典より)とあり、あまりいい意味としてはとらえられていない言葉で、生徒自身も謙遜して「面倒くさがり屋」と言った。でも果たして「面倒くさい」という発想は悪いのだろうか。生徒には「面倒くさい?!じゃあ、仲間だね。自分としては自分の中の面倒くさいという性質を良い意味でとらえているよ。面倒くさいという発想があるからこそ☞何とか少しでも楽な方法を探したい☞工夫する☞もしかすると新発見?!いう図式が成り立つこともあると思うから。」と伝えた。さらに「なんでも完璧に手抜きせずにすることは大切だけど、それが出来るうちはいいけれどそれが出来なくなる時期が必ず来る。その時に手を抜くことを自分に許可できなかったら健康を害するし・・・。だから根底に『面倒くさい』という気持ちを持つことによって要領よく物事をこなしたり、いい意味で手抜きできるようになるので個人的には自分の中の『面倒くさい』という気持ちは封印せずに、むしろ大切に思っているよ。」と伝えた。むろん「面倒くさい」といって授業や勉強を放棄するようなタイプにはこんなことは言わないけれど。何事もそうだが本来「おいおい、反省した方がいいのでは?」というタイプに限って自分の欠点を顧みたり反省したりしない。逆に「え?それは長所でしょう?短所なんかじゃ決してないよ~。」というタイプに限って「自分は○○だから・・・・。」と反省ばかりしているような気がする。☜陰陽師はもっと反省しろ~という言葉が聞こえてきそうだけど(汗)。「長所は短所」という諺があるが「短所は長所」も当てはまると思うので「反省」することに比重が偏っているタイプは見方を変えて堂々と「短所は長所」と認めてあげてもいいのでは?などと考えた出来事だった。ちなみに「面倒くさい」から発展して「過労死」の話題にまで。中学生のレベルを超えるようなしっかりした考えを持っており、立派だなあと思っていると本人曰く「祖父や兄の影響が強いんです。」とのこと。自分の短所を必要以上に卑下することなく、自分の長所を伸ばしさらには人様の長所を見習う姿勢が大切だなあと思った。本当にいつも生徒から学ぶことが多く有難い限りである。
2017/11/25 02:40
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