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小さな国語塾のつぶやき

赤い鳥居

昨日は子供の成長の節目を祝う「七五三」の日だったことから「年齢を祝う」という題材を今週の小学生の授業でとりあげた。還暦(60歳)、古希(70歳)、喜寿(77歳)、米寿(88歳)、白寿(99歳)に始まり、而立(30歳)、不惑(40歳)・・・・などなど。読み方、意味、由来など伝えたところ、大半の生徒たちが還暦については意味はよく知らなくてもお祝いの行事に参加したことがあるとのこと。還暦祝いのときには「赤いちゃんちゃんこ」を着るというのが昔からの習わし(最近は赤いお洋服など)で、そこにはいくつかの意味が込められている。そのうちの一つが「赤(朱)」は神道では1.朱色が魔力・災厄を防ぐ色と考えられていた2.神様のお力を高める役割りがあるとされていたことに由来する。つまり「赤(朱)」は生命の躍動を現すとともに、古来災厄を防ぐ色としても重視されることから、古くは御殿や神社の社殿などに多く用いられてきた。さて、そんなことを説明しながらふと自分が高校3年時の出来事を思い出した。クラスメートのKちゃんが一足早く指定校推薦で進学先が決まり、これから受験を控えている仲間を応援するためにサランラップの芯や折り紙を利用して「赤い鳥居」を工作して学校へ持ってきた。これがまあ、お見事としか言いようがないぐらいに精巧に作られておりクラス中が大盛り上がり!早速黒板の上の高いところに設置し、自由にひもを引っ張って鈴を鳴らして願掛けをするという風景が毎日繰り広げられ「皆で受験を乗り切ろう」といったような明るい雰囲気だった。が、ある日「倫理・政経」の授業時に何気にその鳥居を見つけたF教諭が「公立高校ではこういうこと(神道)のグッズを飾るというのはいかがなものか?」と問題提起。確かにおっしゃることは分かる…と皆納得はしたものの「それでもKちゃんの応援する気持ちが有難い。このグッズのおかげでクラスの雰囲気が受験に向けて盛り上がっているから大目に見てほしい。」という旨を伝え、担任も生徒たちの意向をくんでくれたのだけれど、まっすぐなF教諭は授業にお越しになるたびに鳥居について提議をなさり・・・。結局はこれ以上物議を醸しだしたくないと、Kちゃんはそっと鳥居を外して持って帰った。F教諭は「もしクラス内に神道ではない確固たる信仰を持っている人がいたら、鳥居を毎日教室内で見て皆で盛り上がるのは嫌だろう。」ということもおっしゃった。少数意見を大切にしつつも「集団生活」を送る上では全員が納得いくということは難しい。我々生徒たちが気づかない視点からの提議は本当に有難いこと、ただし正義を振りかざすのみならず生徒たちの「気持ち」を大切にしてほしかったと今でもふと思う。もしかすると赤い鳥居を見て嫌な気分になる生徒がいたかもしれない、でも問題提起をしてそれを長引かせることによってKちゃん、クラスの大半が嫌な気分になったことも間違いない。自分がF教諭の年齢になった今、言動には気を付けようと思える出来事をふと思い出したので忘備録としてつづった。

2017/11/16 14:48

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