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小さな国語塾のつぶやき

舞台

「清水の舞台から飛び降りる」という慣用句がある。意味は「強い決意をして思い切って物事に取り組むときの気持ち」だ。この「清水(きよみず)」とは京都にある清水寺ののことで、いつも観光客で賑わっている名所だ。清水寺は宝亀9年(778年)に、延鎮(えんちん)上人が夢の中で「この地に寺を建てよ」とお告げを受けて建立したといわれ、征夷大将軍坂上田村麻呂も十一面観音を安置し、崇敬していた由緒ある寺。その清水寺の舞台は、断崖の上に高さ13メートルで、通称「地獄止め」といわれる139本の組木が縦横に組み合わされた構造で建てられており、有名なフレーズ通り本当にこの舞台から飛び降りた人は少なくないそうだ。「宇治拾遺物語」に、一番初めに飛び降りた人のことが記されている。検非違使(今でいう警察官)が、見回りのときに数人の若い無頼の者と遭遇し、多勢に無勢で追い詰められてこの舞台から飛び降り難を逃れたという。また「今昔物語」には「清水に参りたりける女」という話があり、女性が誤って赤子を清水の舞台から落としてしまう。この高さだから命はないだろうと思いながらも熱心に観音様に「助けてください」とお願いしたところ願いがかなったのか赤子は無事だったという話。ちなみに、この今昔物語の話は国語のテキストやテストでよく出題される有名な問題なので生徒たちに解かせてみるのだけど意外と正答率が悪い。それは「清水寺」「清水の舞台」のことを知らないから情景が目に浮かばないということも原因の一つと考えられる。当然「清水の舞台から飛び降りる」という慣用句を知っているかどうかを尋ねると全員「知らない」とのこと。取り急ぎ、口頭と黒板に簡単なイラストを描いて説明するのだけど・・・、その後パソコンやスマホで「清水寺」を検索するよう伝えている。実際に足を運んだり映像を見ると分かるけれど、13メートルの高さというのは本当に迫力があり恐ろしい。あんなところからは到底飛び降りることはできないなあと感じる。むろん本物の清水の舞台から飛び降りると命の危険があるので飛び降りないけれど、慣用句通りの「強い決意をして思い切って物事に取り組む」ということは幸か不幸か何度もある、というよりもそうせざるを得なかった。実は2時間ほど前に車中のラジオから「あなたの『晴れ舞台』についてのテーマをラジオ局までお寄せください」というアナウンスが聞こえてきた時に「うーん、晴れ舞台・・・あったのかなかったのか?でも清水の舞台から飛び降りたことは何度もあるよなああ」と内心でつぶやき、それを今日のブログネタにすることにした。今後、清水の舞台から飛び降りることによって新たな「晴れ舞台」に立てるよう夢見ている。

2017/11/15 15:37

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