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小さな国語塾のつぶやき

「社会常識」「ルール」は大切だけど・・・

上田秋成の「雨月物語」(江戸時代の作品)の中に「菊花の契り」という有名な作品がある。あらすじは「左門がご主人から病で苦しむ客が来たから対応してほしいと頼まれた。その客の名は赤穴宗右衛門。看病のかいあって元気になった赤穴と左門は兵法で語り会い次第に仲良くなり義兄弟の誓いを立てた。しかし、出雲がどうなっているか気になり赤穴は一時出雲に戻ることにした。そして必ず9月9日に左門と左門の母のところに戻ると約束したが……。出雲へ帰ったものの、かつて仕えていたた塩谷の部下たちは皆、尼子に鞍替え、従兄の赤穴丹治に尼子へ会わせてもらったが思っている人物ではなかった。9月9日に義兄弟と会うため去ろうとしたが尼子は面白くないとして城内に監禁した。赤穴は霊魂になれば一日千里を行ける、つまり9月9日に戻るという弟の約束を守れる!と、自害し霊魂となって戻ってきた。弟が準備したお料理には霊魂のため手を付けることができないが、最期に赤穴は左門に母を大事にせよと伝え消えた。十日後、赤穴の仇を討つため左門は赤穴丹治に会い殺害、左門は行方をくらませたが、尼子は左門と赤穴の義の厚さを認めて追わないとした」。今は11月だが・・・ふと「菊花の契り」を思い出したのは訳がある。先日、某方からメッセージをいただいた。その内容はまさに自分自身が感じていたことと全く同じで・・・「社会常識」「ルール」は大切だけど、杓子定規にどんな場合にでも「社会常識」「ルール」を振りかざすのはいかがなものか?それは人間としてどうなのか?という内容。本当にその通りだと思う。例えば今のご時世、義務教育だからとはいえ何らかの事情で子供が通学できない状態のときに首に縄をつけて行かせるべきか?となるともちろん「NO!」という理解が広がりつつある。それと同様で「社会常識」「ルール」は大切!それらがあるからこそ世の中が平和になる・・・でも、例外もありでは?と言いたい。さて話は戻るけれど、赤穴にとっては尼子は尊敬できる人物ではなかったため寝返ることはせずに監禁されてしまうわけだが、そんな尼子でも部下(赤穴丹治)を殺されても左門を追わなかったという点で人間としての「心」をきちんと持っているよなあ、と思うのだ。もちろん殺人を容認するわけではないけれど事情を考慮して今回はおとがめなし・・・。「菊花の契り」というと主人公の二人の結びつきばかりがクローズアップされるけれど、昔から読み継がれている古典には人間の生き方、生き様のあるべき姿が書かれているなあ~と久々に読み返した。※本来は昨日アップ予定だった記事、手違いでアップが遅れた・・・。後ほど今日のブログをアップ予定。

2017/11/13 03:45

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