めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
「五里霧中」を「夢中」で・・・
「先生、ごりむちゅうって書いて下さい。」と突然中一の生徒に言われたので「五里霧中」と書いたら「正解!」と、とっても喜ばれた。きっと「五里夢中」と書き間違えると期待されていた(?!)ようだけど、一応はプロですから・・・。「むちゅう」」=「夢中」と変換してしまうのは分かるような気がするけれど。ではどうすれば間違えずに済むか?一番いいのは面倒だけど一つ一つ辞書で由来などを調べて覚えること。(少なくとも自分が中学時代はそのような方法で勉強し、今でも覚える過程も含めて強く記憶に残っている)。先の「五里霧中」の由来は「後漢の張楷が五里にわたる霧を起こし、自分の姿をくらます道教の秘術『五里霧』を好んで使ったという、中国の『後漢書(張楷伝)』にある故事から。 五里四方にわたる霧の中に入ると方向を見失うことから、物事の様子が全くわからず、どうしていいか迷うことも意味するようになった」。この由来を知ると思わず脳内に「秘術」というキーワードが閃光し(だって、陰陽師ですから…笑)インプットされる。とはいえ、個々人によって興味の度合いが違い、インパクトの強さも違うので是が非でもイメージで覚えよう、というつもりはない。ある意味、「夢中」と混同しないように!と自分に言い聞かせて覚えたり、テストで間違えることによって「しまった!もう間違えないぞ」と思うことによって覚えることも可能だろう。ところで、実際問題として「五里霧中」の状態になったらどうするか?①霧が晴れるまで待つ②何とか打開策を見つけて「夢中」になって動く、の二点。安全なのは①だけど場合によっては時間切れになる可能性がある。時間切れになる場合はやはり②の方法をとらざるを得ない。自分自身はン十年前に、とある峠を車で走っているときにまさに「霧」で全く前が見えない状態に。ヘッドライトとつけても数メートル先の道路がかろうじて見えるだけ・・・かといってそこで止まったところで事態は好転しない。夜になり下手すると一夜を明かす?!後ろから別の車に追突される可能性もなくはない、携帯電話は通じない場所・・・結局「夢中」でなんとか霧の中を走りぬけたので今がある。今から思うと「峠は濃霧」という可能性を分かりつつ強引に峠入りした自分の無謀さが怖い。さて、受験生は進路についてまさに色々と迷う時期に差し掛かっているけれど、じっと動いていても事態は絶対に好転しない。「霧中」を「夢中」で突き進むのがベター。命を落とさない程度にファイト!
2017/11/06 17:35
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