めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
「食欲」「想像」の秋
北海道の気候は冷帯のため何十年も昔は、コメ栽培には不向きとされており「北海道米」=「やっかいどう米」と揶揄されていたこともある。が、今や収穫量、食味ランキング、売れ筋ランキングなどでは上位3位以内に位置している北海道米。特に「ゆめぴりか」「ななつぼし」という品種が特A評価で人気が高い。「秋田小町」という固有名詞的な銘柄や先に挙げた「ななつぼし」は「七つの星」という言葉からなんとなく名前に込められた思いをイメージができる。けれど「ゆめぴりか」は最初はよく分からず、そもそもあまり気に留めていなかった・・・。が、ある牧場で「ピリカ」という名前の馬がいたため、なぜその名前にしたのかを馬主さんに聞いたところ実はアイヌ語だと教えていただいた。「ピリカ」はアイヌ語で「美しい、良い、きれいだ、立派だ、豊かだ」という意味だそうだ。ちなみに「ゆめぴりか」という言葉は読んで字のごとく「ゆめ+ぴりか」で成程、本来ならば米作りに適さないとされていた土地で美味しいお米を作るという「ゆめ」をかなえたスーパーブランド品種なので「夢が豊かに詰まっている美味しいお米」といった願いが込められているのかあああと妙に感心。別にこんなことは知らなくても人生に何ら影響はない、が、知ることによって「ゆめぴりか」に対する愛着が違ってくるかなあと感じる。とはいえ・・・個人的には粘りが強い「ゆめぴりか」よりもあまり粘りが強くない「ななつぼし」の方が好きだけれど。ちなみに北海道の農産物は「ほし」「ゆめ」「天(北の空と言う意味)」という字が名前に用いらるこおが多く、地域性の好み?が色濃く反映されて面白い。例えば「ほしのゆめ(米)」「ゆめちから(小麦)」「満天きらり(そば)」などなど。またお米の新品種として青森県では「青天霹靂(せいてんのへきれき)」がある。「青天霹靂」とは「突然に起こった出来事」という意味で、なるほど「青森で突然に素晴らしい品種が出来た」という意味を込められているようだ。実際に調べてみたところ青森の「青」と北の空の「天」雷鳴の「霹靂(へきれき)」から命名とあった。農産物の新品種の名前にはそれぞれの願いがぎっしりと詰まっているので見るだけでも想像が広がり楽しい!食欲の秋+想像の秋といった日々。
2017/11/02 17:30
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