めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
ラジオテーマは「浮世」
明日は月に一回のラジオ出演の日、今から楽しみでワクワクしている!明日のテーマはずばり「浮世」という言葉。先月、次のラジオテーマについてのアイデアを!と呼びかけたところ国語塾のブログの背景が浮世絵師、葛飾北斎の富岳三十六景であることに対しての感想+ラジオテーマとしてはどうかという貴重なご意見をいただいた。「浮世絵」というと日本人の大半は具体的に作品を頭の中にイメージできるけれど、実は意外と「浮世」という言葉そのものを理解している人って少ないのでは?とのことで今月のお題は「浮世」という言葉に。(A様、ご意見・ご提案有難うございます)。最近「浮世絵ブーム」、厳密にいうと葛飾北斎親子ブームのように感じる。現在、大阪のあべのハルカス美術館では「北斎展」が開催されており連日大混雑だとか。直木賞作家である朝井まかて氏が「眩(くらら)」で北斎の娘、応為をり上げ、「百日紅(さるすべり)」をいうアニメ映画でも主人公は北斎の娘、応為、最近ではテレビドラマにも。先日ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏は「浮世の画家」という作品を著している。ご周知のとおり日本の浮世絵は昔から海外でも高く評価されており、海外の有名な芸術家たちは浮世絵から作品のヒントを得ている。では、浮世絵とはそもそも何なのか?【江戸時代に発達した風俗画の一様式。遊里と芝居町に代表される都市の歓楽境,いわゆる「浮世」に取材し、主要な表現手段として大量生産のできる版画形式を用いた点に特色がある。】(ブリタニカ国際大百科事典より抜粋)。「浮世」とは、一言で言うと「憂き世(つらい世の中)と浮世ふせい(はかない世の中)の二つの意味が重なり合った語」つまり「つらくはかない世の中、現世」☞江戸時代になると「はかない世の中ならば楽しく生きよう」という思想も芽生え「享楽的で色事(男女の仲)を楽しむ」という意味も加わったらしい。つまり「浮世絵」とは先にも書いたように「人々の暮らし、男女の仲」などを版画で表したものとなるか。本来の意味内容うんぬんよりも色彩や技法の素晴らしさがクローズアップされて浸透しているけれど明日は本来の言葉「浮世」の焦点を当てる予定。ぜひチャンスがあれば聴いていただきたい。(FMウイング帯広のHPより、ネットで聴くこと可能とか…ちなみに自分自身は恥ずかしくて聴いたことがないけれど。)
2017/10/24 17:08
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