めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
「神出鬼没」
「神出鬼没(しんしゅつきぼつ)」というタイトル入りの名刺が突然引き出しから出てきた。これは学生時代に友人たちと一緒にゲームセンター内の名刺作成ができる機械で作ったもの。サンリオのキャラクターの台紙に本名と「神出鬼没」という言葉が入っており、懐かしいなあとしばらく見ていた。なぜ当時「神出鬼没」という言葉を使ったか、理由は二つ。①行動が自由自在で、居所などの予測がつかないから《鬼神のようにたちまち現れたり消えたりする意から》という意味が自分と重なったから(当時バイトをいくつも掛け持ち、携帯電話があまり普及していない頃だったので友人たちとなかなか連絡が取れなかった)。②前後が対比になっている漢字の組み合わせが面白かったから(何となくモグラたたきのイメージがあった・・・ポコッと出て、かたやポコッとへこむみたいな☜今から思うと罰当たりな話だ)。さて、改めてこの言葉を見ると実際の行動範囲のみならず、「神出鬼没」は人間の内面そのものを表しているなあと感じる。一人の人間には最低でも二面性があり(人によってはもっと多いか)、いわゆる「神」(善)の部分と「鬼」(悪)の部分がコインの裏表のようにセットで共存していることを表しているように思うのだ。さらには人間には「鬼神」のような潜在能力があるのかも?と思わせてくれる。社会生活を送るうえでは基本的には「神出鬼没」の「神」の部分を優先しているけれど、いざという時には「鬼」(悪)「鬼神」(超人的な能力)を発揮するのかなあと。日本の昔話などでは「鬼」=(悪)なので退治されるべきものとして描かれているが、「鬼神」(きじん,おにがみ)」とは、普通人の耳目ではとらえることができない超人的な能力をもつ存在のことをさす。つまり鬼のように超人的な勢いで何かに向かって努力すれば信じられないような意外な結果をもたらすこともあるかなあ?と楽しく想像している。受験生にとってはもう、あとがない・・・、たったの2,3か月しかないという気持ちが強いだろうし、実際に日がない。こうなったら「神」を没して「鬼」を出して頑張るのが一番だろう。
2017/10/22 17:49
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