めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
自分色を入れる
昨日は「自分らしい文章」というタイトルで書いたけれど、誤解しないでほしいのが人様の意見を参考にしたり、引用するのが悪いと言っているわけではない。人様の意見に感動したり、同意したらそれを書けばいいと思うし、それが経験とともに自分の中に浸透し「自分の考え」になると思う。そのことをとても分かりやすく、美しい表現でW先生が昨日のブログにコメント下さったのでぜひ読んでほしい。さて、そもそもが「自分の考え」だと思っていることのおそらく90パーセント以上が他者からの影響を受けたもの、下手するとコピーされたものだからで、それは当然だと思う。「学ぶ」の語源は「真似ぶ」、まずは「真似」することが学んでいくうえで一番大切なことだから。ただ、ネットなどで調べた情報を自分の中で解釈、咀嚼、納得しないうちに適当に複数個集めて切り貼りして、いかにも「自分の考え」として表現することはどうなのか?と思うだけである。昨日の記事をリブログして下さったH先生の記事に、たまたま「キャベツ」について文章を書いた生徒さんのことが取り上げられており、思わずそこから「キャベツ人形」なるものを思い出した・・・。キャベツ人形とは1983年ごろにアメリカで流行したもの。顔や髪形、肌や目の色、服装などの違いで6000以上の種類があるとされている。同じ人形は基本的にひとつとしてなく、1年後にはバースディ・カードが届くという仕掛けでヒットした。当時の価格は6,500円。過去30年で1億体を販売した。正直言ってキャベツ人形を見たとき「一体一体違っているとはいうけれどよく似てる」と思った。それはある意味当たり前で基本的な骨組み(型紙)は同じで、パーツや髪形や色をそれぞれ変えているだけだから。つまり、一体一体別物とは言いながらもキャベツ人形同士は似ており、例えばキャベツ人形とリカちゃん人形ほどの違いはない。話を戻すと文章を書くときに、知識や経験が浅い若者にとって「自分の文章」はかなりの難度。その場合は人様の意見を軸にしつつも自分色を入れることを意識することが大切だということ。
2017/10/16 16:32
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