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小さな国語塾のつぶやき

自分らしい小論文

数年以上前の話。知人の息子さんが当時高校3年生、某大学医学部の看護学部を志望しており推薦入試を受けることになった。前もって「今後の医療の在り方、問題点」といったテーマで小論文を提出することになっており、勉強熱心な彼は学校の先生からお勧めの本を紹介しもらい、それらを複数冊読んで勉強し必死で小論文をまとめた。そして何度も学校の先生に添削してもらい、無事に完成していよいよ明日願書とともに提出という段階になって母親に(私の知人)にその小論文を見せたところ・・・。私の知人がダメ出しをして結局親子で徹夜で小論文を書き直し提出、無事に合格した。なぜ、素人にもかかわらず知人が息子に小論文にダメ出しをしたか?「あまりにもとってつけたような立派な内容だったから」だとか。つまり、あらゆる専門書の一部分を切り貼りしてそれなりの体裁を整えており、だからこそ内容が薄っぺらく感じたらしい。本人らしさが全く感じられず、専門家から見ると「若造が、分かりもしないのに偉そうに語っている」と思う!と、「あなたにしか書けない本音で」と強調して書き直しをしたらしい。書き直しをせずに提出していたとしても合格していたかもしれないし、元の原稿を見せてもらったわけではないので何とも言えない。ただ、そういったエピソードをふと思い出した。なぜならまさに今、小論文を書こうと頑張っている高校生に対してどうアドヴァイスするか思案しているから。生徒は公的機関が募集している海外への短期留学の資格を得るために小論文作成に励んでいる。小論文なので相手を説得させるべき論理的な文章を書くことは最低条件だが、審査員に気に入ってもらうようにと、いわゆる一般論的な「きれいごと」ばかりを書いたとしても審査員の心に響かないのでは?と個人的思っている。生徒は学校の先生にも下書きの段階で見せたところ、「ある内容」について残すか削るかの選択に迫られたらしい。確かに「ある内容」はテーマから若干ズレるかなあとは感じており、今後それをどんなふうにテーマと結びつけるかと考えていたところだった。結局、生徒は「ある内容」は残す選択をしたようなので、なんとかテーマと結びつけるべき文章に、と添削した。まだ締め切りまで日があるのでさらに書き直し、添削して「本人らしい小論文」を目指して共にファイト。

2017/10/15 15:53

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