めむろ国語専門塾
- ブログ
小さな国語塾のつぶやき
「追究」「追求」「追及」
人間は思い込むという性質があり、きちんと見ているつもりでも見ていないことがしばしば。というわけで生徒たちに漢字ワークの宿題を出した時は各自で演習・自己採点後に必ずチェックするようにしている。すると必ずと言っていいほど造語が見つかる・・・。こんな漢字は世の中にないよ~と思わず笑いがこみあげてくることが日常茶飯事である。造語のみならず写し間違えていることもあり、熟語の意味を考えれば分かるでしょう~と言いたくもなる。そもそもが写し間違いに気付かない≒何も考えずに答え合わせをしている証拠なわけであって・・・。とはいえ、厄介なのが同音異義語!確かに意味を考えて突き詰めていくと正しい熟語に行きつくし覚えることが出来るけれど、間違った組み合わせでも微妙に意味が通じてしまうこともあるから。例えば「ついきゅう」、「追求」:手に入れようとしてねばり強く追い求めること。「追及」:責任・欠点などをどこまでも追いつめること。「追究」:(学問的に)不確かなことや不明なことをどこまでも探究すること。深く考えきわめること。①真理をツイキュウする②理想をツイキュウする③余罪をツイキュウする、答えは①真理を追究する②理想を追求する③余罪を追及する、となる。が、それを写し間違えて「余罪を追究する」と書いてしまった某生徒。思わず「犯した罪について研究するの?罪とは何ぞや?罪にはさまざまな種類があって・・・・。自分の罪は○○で□□と、するわけ?少し考えればおかしいと分かるよね?」と突っ込むと大笑いされた。反省してくれることを期待していたのだけど彼の脳内では「罪とはなんぞや?自分の罪は・・・自分は罪深い」とグルグルし始めておりすっかり漢字の熟語を覚えるという目的から逸脱して哲学的思考への移行してしまった。はーっ。漢字は奥が深く、楽しいけれど難しい・・・。だから常に勉強あるのみ。
2017/10/14 16:11
-
-
コメントするには会員登録後、ログインが必要です