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小さな国語塾のつぶやき

「捲土重来」

「捲土重来(捲土重来)(意味)一度敗れたものが、勢いを盛り返して再び攻めてくること」という四字熟語がある。言葉や意味はずーっと以前から知っていたけれど、実はこれが中国の大将、項羽に関係する言葉だと知ったのは実はつい最近。※項羽とは古代中国「秦」を倒した二大英雄(項羽と劉邦)のうちの一人。「四面楚歌」の四字熟語の元となった人物として有名。さて「捲土重来」は、項羽が漢の大群に敗れ、自刃して果てた烏江の古戦場を訪れた唐の詩人・杜牧が、「項羽が恥を忍んで江東に逃れて入れば、そこは優秀な青年がそろっていたので再起し、地面を巻き上げるような大勢力で、再び中原(中国の中心地)に返り咲くことが出来たかもしれない」と詠んだ故事からきている。項羽ファンとしては「もし・・・たら」という気持ちになるのはよく分かるのだけど、個人的には人生には「もし・・・たら」はない!項羽ほどの人物であればこその最期の選択をしたと思っている。つまり、もしも再び勢力を盛り返すようなチャンス、そのチャンスに勝算が見込めると判断するならば当然そのように行動していたはず。でも、いよいよ烏江で「運が尽きた」と理解したからこそ最後の酒盛りをし、翌日に大奮闘の末に自刃したと思うのだ。とはいえ、本当のことは当の本人以外には分からないのだけど。最後の最後まで諦めないことは大切、そのことに対して矛盾するかもしれないけれど、ある程度の見極め引き際をも見据えることはよりよく生きるためには必要なことなのでは?とも思う。例えば、自分自身が不治の病に侵されて余命まで宣告されたとする。間違いなく代替医療はないか?となんとか生き延びる選択肢を探し実行するだろう、でも必死であれやこれやとやってみて・・・いよいよ「ああ、もうやるべきことはやった」という時には事情が許すならば緩和ケアに切り替えるような気がするし、それは決して敗北だとは思わない。いかに生き延びるか→いかに人間としての尊厳を持ったまま生ききるかと選択するに違いない。むろんこれらには決まった正解はない、ただ一つ言えることは最期を迎えるときに後悔しない選択をし続けていきたいということ。ふと「捲土重来」という言葉の由来を知って思ったこと。

2017/10/04 14:05

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