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小さな国語塾のつぶやき

眉唾もの

建築会社の営業担当のNさまが突然に指を口にもっていったかと思うと次は眉に・・・という動作をなさったのが、かれこれ5年前。これは、お教室の壁紙をカタログを見て選んでいる際に「マイナスイオンを出す壁紙」というコメントに対してお取りになった行動。つまり「マイナスイオン」云々は「眉唾もの」≒、「信用できないもの・こと。疑わしいもの・こと。真偽が定かではないもの・こと。また、それらのような話」とおっしゃったというわけ。とはいえ、エメラルドグリーンという色が気に入ったのでそちらに決めた。その後・・・色はいいのだけど汚れを拭く際に色が落ちやすく(ああ、マイナスイオンがなくなる~)、壁紙を張り替える際には強度を基準に選ぼうとかたくかたく誓っている。さてこの「眉唾もの」の語源は「騙されそうなときは眉に唾をつける」という俗信・迷信が元になっている。狐や狸は人を化かしたり騙したりするので、騙されないように眉に唾をつけると良いという俗信・迷信なのだが、では、なぜそんなことをしたらキツネやタヌキに騙されなくなるか?一つ目は、キツネは人の眉毛の数を数えて化けたり騙したりすると考えられており、眉毛の数を数えられて化かされないように眉毛に唾を塗ることで固めて、キツネに眉毛の数を数えさせないためという説。二つ目は、平安時代の豪傑が山の中で炎をふく大ムカデに出会い、炎に眉毛を焼かれそうになったので眉毛に唾をつけてそれをしのいで大ムカデを倒したという話があり、このような荒唐無稽な話のことを「眉唾もの」「眉唾」というようになったという二つの説のが代表的だとか。また、昨日書いたように古来より唾には魔力を封じる力、霊力があると信じられていたそうで、こういう説が生まれたのだろう。そういえば昔のアニメ「一休さん」はとんちをひねり出す際には必ず唾を頭に付ける動作をしている。これもやはり霊力を期待した動作か?

2017/10/02 02:35

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