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小さな国語塾のつぶやき

苦肉の策

「苦肉の策」という言い回しがある。意味は「自分の身を苦しめてまでも敵をあざむくはかりごと。苦しまぎれに考えだした手段。苦肉の謀はかりごと」とあり、「苦肉」の「肉」は「自分の身体」のことで、自分の身を苦しめる・・・苦しまぎれに・・・なんていうと少々物騒な感じがするけれど、個人的には「苦肉の策」をいうのはある意味良策だと思っている。というのが世の中、完璧に美しい手段で物事が進むことの方がむしろ少ないと思うので苦しまぎれだろうが何だろうが「結果オーライ」を目指すことも大切かなあと。先日、小学生の保護者が「漢字テストに出る予定のものに『功名』と言うのがあるんですが、当然子供は意味が分からず漢字だけとりあえず覚えています。辞書で『功名』や『けがの功名』と調べて伝えましたがいまいちのようで・・・」とおっしゃった。親からの説明だからという甘えが子供にはあったのかもしれないけれど、そういう事情を差し引いても確かに「功名」ををうまく説明することは難しい。また、中学生からは「辞書を見ると『あはれ』『をかし』両方ともが『趣がある』になってますがどう違うんですか」という質問も先日受けた。その際に辞書的なまともな表現を一回目はしてみたのだが、当然伝わらない・・・。結局まさに「苦肉の策」で、「功名」については「成功」の「功」と同じ漢字が使われている☞「良い意味」で・・・・と目の前の文具を使いながら具体例を挙げて説明。ついでに「成功」の対義語「失敗」も覚えておくように伝えた(ちょうど生徒は現在、対義語を習っているところなので)。「あはれ」と「をかし」に関しても辞書的な説明の後、英語が得意な生徒だったので「をかし」≒「interesting」という感じ!に始まり現代の言葉で若者言葉を用いながら具体例を挙げたところとりあえず納得してくれたようだ。果たして正しい意味で納得したかどうかの不安がないと言えばうそになるけれど・・・。正攻法で理解できないならば時と場合に応じて「苦肉の策」もありかなあ、と思う今日この頃。

2017/09/30 16:43

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