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小さな国語塾のつぶやき

「感謝」「謝罪」

「漢字の気持ち」(高橋正巳・伊藤ひとみ著)に「謝」という字について触れられている。要約すると【「謝」という字は心の負担をおろすという意味があり、ありがたい気持ちを伝えるには「感謝」、申し訳ない気持ちを伝えるには「謝罪」と、どちらも心の負担を下ろしたい時に使う言葉として同じ】とある。この意見には賛成すると同時に、使う側はもちろんのこと言葉を受け取る側にも「相手に一番言って欲しい一言」という点で「感謝」と「謝罪」は共通点があるように思う。つまり相手から「感謝」「謝罪」の言葉を受け取るだけで相手へのわだかまりなどが消えることも多い。例えば誰かのために一生懸命に行動した場合、たった一言「ありがとう」という言葉をもらうだけで苦労が吹っ飛ぶということはよくあること。金品が欲しいのではなく、たった一言「ありがとう」と言ってもらえるだけでいいと思えるのだ。代表的な行いとしては「子育て」が挙げられるだろう。子育て中の大半の人は「将来、子育てにかかったお金を返してもらおう」とは思っておらず子供たちが将来幸せになってくれたらそれが自分たちの幸せと感じる。そして子供たちが成人した時に、たった一言「育ててくれてありがとう」と言ってくれることがあったら、今までの苦労が報われるのだろう。また、誰かに物を壊された、けがをさせられた、裏切られた・・・という場合にはむろん弁償、治療費、慰謝料を払ってもらうべきだが、払ってもらえればそれでOKという態度をされると、たとえ満足いくような金額であったとしても被害者としてはモヤモヤが残る。金額的に大したことがないような子供のおもちゃなどであれば、弁償をしてもらう云々よりもたった一言「ごめんなさい」と言われるとそれで気持ちがスッとし、あと腐れなく相手と付き合える。つまり「感謝」「謝罪」は使う側、言ってもらう側共に心の負担を下ろす、軽くする言葉なのだ。だからこそ、きちんと「感謝」「謝罪」の言葉は口に出したいものだ。

2017/09/15 04:12

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