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小さな国語塾のつぶやき

謙虚

かれこれ3年以上前に(ブログを書き始めた初期の頃)にも書いたけれど、平田篤胤(江戸時代の国学者)は、夢で本居宣長の弟子となった人だ。つまり宣長の没後2年目にして宣長のことを知り「夢の中ではあるが師弟の契りをしたのだから私は正真正銘、宣長先生の弟子だ」と主張するのだ。本当にそういった夢を見たのかそれともでっちあげかは本人しか分からないが、少なくとも篤胤の勉強熱心さは本物だったらしくその様子をあの世から宣長は嬉しく見ているだろうと勝手に想像している。その嬉しさとは「自分を師匠としてあがめてくれてる」ではなく「熱心に国学の勉強をしている様子」についてだ。先日から書いているように宣長は謙虚なタイプだったとうかがえるから・・・。篤胤の執筆する様子は、何日間も寝ずに不眠不休で書きつづけ疲れが限界に来たら机にむかったまま寝て十分に寝ると再び起きまた書き続けるというものだったそうだ。こういう勉強熱心な人に「弟子にして下さい」と懇願されたり、「○○の弟子です」と公言するのはありだと思うけれど、逆はいかがか?とふと思った。数年以上前のことになるけれど某分野で活動している方が「自分は弟子が600人いる!」と公言した。「ん?どう見てもそんなにお弟子さんがいるようには見えないけれど・・・」と思いつつも「すごいですね!」と返しておいた。ちなみにその日はいわゆる芳名帳的なノートに住所、名前、連絡先、メールアドレスなどを記入したところ・・・それからというもの定期的にメルマガが届き始めた。「え??」と思いつつ何気に記事を読むとメルマガ読者が600名少々とか・・・。あ、これのことかああと納得。つまり「メルマガ読者≒自分の弟子」と公言しているというわけで、この瞬間に相手に対するリスペクトの気持ちが萎えてしまいしばらくしてから完全にお付き合いはしなくなった。何が言いたいか?実力がありつつも謙虚な人こそ魅力的で、高圧的な傲慢な態度の人はある分野の能力に優れていたとしても全く魅力的ではないなあということ、自戒を込めて。

2017/09/13 02:01

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