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小さな国語塾のつぶやき

文章から伝わるもの

古代の日本の貴族にとって和歌を上手に詠むことは出世条件の一つ。え?と思われるかもしれないが、なるほど現代でも就職や進学する際には作文、小論文、自己PR文、入学・就職後はレポート、企画書、報告書をいかに上手に魅力的に書けるかがその人自身への評価につながるという点では通じるものがあるだろう。中学生の古文ではしばしば「和歌を上手に詠んだことによって褒美や休暇をもらえた下級武士の話」「年貢を下げてほしいという内容を一休和尚が頓智を効かせて和歌に詠んだところ成功した」といった話などが出てくる。これらの古典作品を読むと分かるけれど、決して「技法」に頼りすぎてもダメ!ちょっとした工夫、ウィットにとんだ内容になっていることが大切で、これも今の時代に通じるだろう。先日も書いたけれど、数多くのブログを読ませてもらうと自ずと書き手のことが想像できる。それは学歴や職歴を取り外した、本来のその人らしさというのが自然とにじみ出ているようなもので、個人的には「謙虚さ」「素直さ」「上から目線でない」文章に魅力を感じる。たとえて言うならば国学者である本居宣長のような文章・・・。で、で、で、だからこそ自分はというと文体などなど意識して敢えて変わった内容や書き方にしている(これって、自分の文章が怪しいことへの言い訳?!笑)。普通に書いたらまるで自分自身を丸裸にされた状態になりそうだから。さて先日、知人に「段落分けしない、独特の書き方ってわざと?」と聞かれたので即座に「イエス」と答えたところ「なるほど~」と妙に納得された。うーんほめてくれたのだろうか?何はともあれ今も昔も「文章」はその人自身を表すということを意識して、言葉を丁寧に選びながら使いたいもの。

2017/09/11 13:23

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