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小さな国語塾のつぶやき

解く時は自分の感情はタブーだけど・・・

「小説は自分の感情を入れて解かない、あくまでも文中からヒントを探す」というのは鉄則だが、そうは言っても「命」がからむ文章だったりすると、作中の主人公は冷静な態度であっても読み手の中に無意識で「かわいそう」という感情が芽生えてしまい、その自分の感情で解いてしまうことがしばしば起こる。というわけで昨日は中学生クラスで「命」を扱った小説を演習。さて、無事に?授業終了後に某生徒から鋭い発言が。彼は「小説はしょせん小説(作り話)だから矛盾点が多い」ということを言いたかったらしい。明らかにファンタジー(例えば妖精が出てくる、動物がしゃべる)ならば、それはそれで「作り話」と割り切って読むのだろうけれどいわゆる「ありそうで、実はないだろう・・・」という微妙なストーリーに対して指摘があった。生徒「先生!国語の教科書(二年生)に掲載されている、『夏の葬列』。あれって絶対におかしいですよね。主人公はヒロコさんが白い服を着てるから爆弾の標的になりやすい・・・ってことで自分の身を守るために突き飛ばすけれど、一体どれほどの力で突き飛ばしたの?って言いたくなりますよ。突き飛ばすって言ってもせいぜい数メートルでしょう?ヒロコさんに爆弾が直撃したならば近くにいた僕だって衝撃で腕の一本吹き飛んだって変じゃないと思うんです。でも僕は無傷なんてありえなくないですか?運がよかった・・・にしてもおかしいです」とブツブツ。「それが小説、非現実なことを書いてOKなんだよ~」と言葉を濁しつつも彼の視点や発想には思わず内心拍手。与えられた情報を素直に鵜呑みにするのではなく「あれ?」「何かおかしい?」という視点を持つことはあらゆる面において大切なことだから。国語の解答や読書感想文に正直に感じた疑問を書くのは・・・?だが(その辺りはきちんと空気を読んでいる彼)、今後も鋭い視点を持ち続けてほしいと思った出来事だった。

2017/09/08 13:12

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