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小さな国語塾のつぶやき

流行

物事の基準判断の「流行」というものは必ず存在する。つまり時代時代によって万人に受ける受けないという基準があり、それは大きく変化すると思う。先日、中学生がポツリと「先生!女性に対して『あなたは見返り美人みたいですね(江戸時代、元禄期における菱川師宣作の浮世絵)』って言われたら事情を知っている人はショックだよね。でもそうではない人ならば『え?美人?嬉しい~~~』となるかなあ。」ともらした。彼は期末試験に向けて国語はもちろん、他の科目も一生懸命勉強しているからこそのセリフだろう。ところで「見返り美人」≠「美人ではない」と彼は言いたいわけだ(笑)。思わず「確かに・・・美人の基準は時代によって違うよね。それを言うならば『あなたは天平美人ですよね』と言われる方がよっぽどショックだよ。」と返したら大うけにウケた。ついでに「もしも教科書に載っている顔が本物に近いならば、○○って迫力あるよね。怖すぎ・・・」と言いたい放題の中学生。👈おいおい・・・。とまあ、人の好みはそれぞれだけど文学作品にも時代によっての流行があることはきちんと意識しておく必要がある。中学歴史で学ぶ「白樺派」の作家、志賀直哉の作品については短編が多いので読んでおく方がベター。仮に読まなくても少なくとも、大正・昭和初期の作品は「死」を冷静に見つめていること(島木健作「赤蛙」、志賀直哉「城崎にて」など)、特に志賀直哉の作品は少々「皮肉」めいた内容が多いという事実だけでも知っておくほうが良い。これを知っていないと解けないような問題が中3テキストに出てきた・・・。志賀直哉≒皮肉…シニカルな視点の作品が多いということを知ってるとすぐに解けるような問題があった(詳細は割愛)。以前に何度も紹介したように石川啄木≒望郷の念もしかり。国語は母国語とはいえ最低限の言い回し、表現法はもちろんのこと各時代の流行、作家の作風などはぜひポイントとして押させておく方がよい。

2017/08/30 13:08

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