めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
望郷の念=ホームシック
今日はお盆の真っただ中、お盆は故郷で過ごすという方々も多いだろうし、それは素晴らしいことだと思う。が、何らかの事情で故郷に帰りたくても帰れない・・・という状況の人もいる。むろん帰りたくないから帰らないという人も同じぐらいいるだろう(苦笑)。さて、故郷を懐かしむ…望郷の念を持ち続けたといえば言わずもがな、石川啄木があまりにも有名。「ふるさとの 訛りなつかし停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく」「やはらかに 柳あおめる 北上の 岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに」(意味・・やわらかく柳の芽が青く色づいた北上の岸辺が目に見えるようだ。故郷を思い懐かしさにいかにも涙を誘うかのように。※北上川とは啄木の故郷、岩手県を流れる川)といった短歌が有名でこれらは教科書にも掲載されている。国語のテキストやテストにはこれらのことをふまえて「石川啄木≒望郷の念」ということが問われることが多い。石川啄木の歌に込められている気持ちとして4択で正解は「望郷の念」を選ぶといった具合に。そんなわけでお教室では有名な俳人、歌人の特徴などを徹底的に何度も何度も繰り返しあの手この手と手法を変えながら生徒たちに伝えており、当然、石川啄木≒望郷の念は伝授済み。さて先日、読書感想文の題材として「僕らの七日間戦争」を選んだ生徒。作中に「ホームシック」という言葉が何度も出てきたのだが分からなかったらしく「先生、ホームシックってどういう意味ですか?」と問うので「家に帰りたい!という気持ちだよ。」と答えた。その途端に「あ、そういえばそういう人いましたよね?昔に・・・ほら、上野駅で故郷の訛を聴きに行った人!ほら、あの・・・・あ、そうそう石川啄木!!!」という名解答!つまり「ホームシック=望郷の念=石川啄木」ときちんと結び付けた生徒。「望郷の念」と日本語で言うとしみじみとした味わいがあるけれどそれを「ホームシック」とカタカナで表現すると身もふたもないなあと周囲にいた人全員で大笑い。些細なことを笑い飛ばせるようなタイプだと望郷の念にとりつかれたりホームシックとは無縁なんだろうけれど、そうはいかないから世の中難しい?!
2017/08/14 11:26
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