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小さな国語塾のつぶやき

「怒り」の奥底には・・・

「怒り」と一言でいっても実はここにはいろんな感情が混じっていたり、心理学においては複数の定義があるだろう(この辺りは詳しくないので省略)。例えば、友人に貸したお金を返すように要求したとしても、無視された…という場合だと純粋に「怒り」の比率が高いだろう。でも大好きな人に裏切られたら当然のごとく「怒り」の感情がわいてくると同時に「悲しみ」もあるかもしれない。さて、そんなことに気付いてそれを読書感想文に組み入れたのは中学生男子Y君。Y君はとってもまっすぐで几帳面で、感性が豊かなタイプ。彼が読書感想文に書くべき題材として選んだ小説は舞台が中学校のいわゆる青春小説。一番印象が強かった場面を挙げてもらったところ、次のような内容。「主人公がお気に入り入りの若い女性教諭は『先生』という仕事を長く続けると宣言していたにもかかわらず、恋人の海外転勤についていくことになったため、近々結婚し仕事を辞めることになった。けれど主人公には言いづらくて黙っていたのだが・・・」当然というべきかそれらを知った主人公は烈火のごとく怒り先生に食って掛かる場面。この場面を読んだ時に思わず自分は「主人公の気持ちも分かるけれど、先生だって事情があるんだよ。それを一方的に怒って感情的になってくってかかるってなんなのよ~~~」と思わずツッコミを入れたくなったのだが、Y君は違う。「主人公の気持ちがよく分かる。なぜなら二重に先生に裏切られて・・・。」と書き始めた。ウンウンさすが中学生!と思いながら、意地悪な質問をY君に投げかけてみたところポツリと一言「怒りの奥底には悲しみがあった・・・」と。オオッ!さすがY君!感性が素晴らしい~~~「忘れないうちにそれを書いて!」と書かせた。単に「○○の場面が面白かった、楽しかった。」ではなく中学生ともなるとさらにそこから深く掘り下げてみると新しい発見があり感性が豊かになるだろう。単なる「感想」を卒業し「感想」≒「主人公の本当に気持ちを理解」につながる。下書きがほぼ完成、あとは清書を残すのみのY君!頑張れ~!

2017/08/08 15:50

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