めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
「足る」「足が出る」
「足るを知る者は富む(たるをしるものはとむ)」【意味】満足することを知っている者は、たとえ貧しくとも精神的には豊かで幸福であるということ。【注釈】人間の欲望にはきりがないが、欲深くならずに分相応のところで満足することができる者は心が富んで豊かであるということ。『老子』に「足るを知る者は富み、強めて行う者は志有り(満足することを知っている者は富者であり、努力している者は志ある者であると言える)」とあるのに基づく。(故事ことわざ辞典より)。深い・・・。本当に人間の欲望はきりがなく、また一度いい思いをするとなかなか下には下がれず、常に良い状態でいられるに越したことはないがそうではなくなった時が怖い。だからというわけではないが、あれば便利だけどなくても困らないというものには自分は手を出さない(例えば車のナビなど。。。職業柄あちこちに車で移動するならば間違いなく必要だけれど今の職業や生活においては必要性が少ない)。そういえば「足が出る」という慣用句がある。これは計画していた予算がオーバーしてしまった時に使う表現、つまり「足りない」「不足」という意味。この「足が出る」は老子の言葉と関係があるのかと思いきや、「足が出る」の語源は「お金」。「お金」は世の中を駆け回るという意味から「お足」と呼ばれる事もあり、「足が出る」というのはこの「お足」という言葉からきているという説がある。別の説としては、着物を作る時に生地や仕立てがきちんと計画的に行われておらず仕上がったら寸足らずで足が出たという事から、予算内ではちゃんとしたものを作る事ができないという意味で使われる事もあるらしい。どちらにしてもきちんと「足」を意識しておかないと気づいたら「足るを知らない」「足が出る」・・・・「不足」の事態に陥ってしまうもの、しっかりを足を意識しようっと!自戒を込めて。
2017/08/07 15:56
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