めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
「押しつけ」はタブー
昨日の独断と偏見のブログ記事に対して「懐が深い」と、何とももったないようなコメントを頂いた。コメントを下さった方は中学生特有の性質に対して「可愛い」とは思えず、逆なのだとか・・・。どちらが正しいとか正しくないとかはなく、あえて言うならばどちらも正しいと思う。と同時にそのコメントを見た瞬間にふと木曜日のラジオで流れてきた内容を思い出した。午前11時台だったと思うが、池田高校にむかってラジオを聴きながら車を走らせていると「夏休み特集」ということで、子供たちからの「理科・科学」に関する質問を専門家が答えるという企画が流れてきた。ある男の子が「カブトムシは地上に出てから短い期間しか生きられないのはどうしてか?かわいそう」と質問をし、それに対して専門家が「個体別にみると確かに短命でかわいそうだけれど、カブトムシの仲間・種族としてみると早く代替わりすることによって様々なタイプのカブトムシが次々と生まれることになる。例えば病気に強いもの、弱いものなどなど・・・。つまり種族全体でみると代替わりが早いことは進化にとっては良いことだ。」と答えていた。難しい話なので質問した男子が理解できたかどうかは分からないが、流石は専門家!決して子供に対して「大きな視点で見ると、カブトムシ個体が短命なのはかわいそうとは言えない」という正論を押し付けるわけではなく「難しいよね。ただね、一面だけではなく別の方向から物事を考えると答えが色々なんだよ」と回答。さて、自分自身もブログで時々「いろんな視点で」的なことを書くし、それ自体は正しいと思うが、ある一方向で物事を考えている人に対して決して正論を押し付けてはいけないと思う。一番いいのは本人が「多角的視点を持つことの大切さ」に気づくこと。先ほどの「カブトムシ」について、小学生の子にとっては「それでもやはり大好きなカブトムシが短命なのはかわいそう」と感じるならば、その感情はとっても健康的でこのままでいいと思う。それを「いや、それはおかしい。もっと大きな目線で・・・」と押し付けるするならば、押し付ける側の姿勢に問題があるだろう。多角的視点を持つことは大切だけど「多角的視点を」とすべてのケースに関して押し付けるのはタブー。
2017/07/30 01:01
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