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小さな国語塾のつぶやき

「猛」

昨日の午後から雨が降ったおかげで一気に気温が下がり、ようやく猛暑が落ち着いた十勝地方。ほっと一息。さて、この「猛暑」に使われている「猛」という漢字は平家物語の冒頭部で「猛(たけ)きものもついには滅びぬ・・・」とあるように「強い、激しい」という意味がある。また「猛暑」「猛烈」「猛毒」「猛者」という熟語が示すように単なる程度の度合いというよりも「荒々しさ、強すぎる」といったニュアンスが含まれているようだ。では、なぜ「猛」が「強い」という意味になったのかが気になって調べてみた。国語教育者である下村昇氏によると「猛」という漢字は「」(けものへん)と「」(初めて生まれた子)との合わせ字で、「」は「」と「」であり、「皿」は養う意味だとか。皿の上に乗っている子というのは、衣食住に不自由なく大切に育てられている子で元気のよい子のことで、そのうちに「激しく外へ発散しようとする勢いのある様」を表すようにも使うようになった。そこで「孟」と「「犭」とを合わせて「気力や勢いが激しいさま」をいうようになったものらしい。なるほど確かに子供はエネルギーの塊というイメージがあるし、実際にエネルギーを持て余し、若干好ましくないような行動で発散している状態のこともしばしば見受ける。うーん、ある程度の年齢や時期になったときにはそのエネルギーを正しく使うならば大きなことを成し遂げることが出来るだろうなあと妄想する。今や猛烈に何かをしたいと思っても気力、体力ともに昔に比べると劣って(落ち着いて)しまった自分にとって「猛」はある意味うらやましい響きだ。とはいえ、これ以上の猛暑はお断り、生徒たちが「猛勉強」するのは大歓迎!

2017/07/17 02:39

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