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小さな国語塾のつぶやき

「私の願い」

7月7日(地域によっては8月7日)の七夕には、願い事を短冊に書いて笹につるすという習慣が日本にはある。さて、この短冊に願い事を書くときにはどんな風に書くだろうか?おそらく大半は「100点をとれますように」「宇宙飛行士になれますように」「医者になれますように」といった具合で、願い事を分かりやすく端的に書くだろう。小さな紙上に書くわけだから、長々と書くことができないからというのが一因だろうから、そういった要因を除いた場合も考えてみる。例えば親が子供に「夏休みはどこに行きたい?」と希望を聞くと子供たちは「ディズニーランド!」「おじいちゃんの家」「プール」・・・といった風に答え、「思い起こせばかれこれ1年近くも田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに会っていないので、今年の夏休みは会いに行きたい。」という文章で答えるタイプはほとんどいないだろう。何が言いたいか?作文のテーマが「私の願い」「私の希望」という場合は、結論をいきなり書いた方が読み手に伝わりやすいということ。現在添削中の文章で次のような作品がある。「僕は朝が弱いです。年齢のせいか、なかなかパッと起きることができず目覚ましをとめてから2度寝してしまいます。だから会社ではフレックスタイムを取り入れてほしいです。」(個人を特定できないように趣旨は変えずに内容を少し変更している)。これはこれで間違いではないのだが・・・。朱を入れるかどうか迷いながらも、2つ目の願いについてはいきなり結論から始めている作品なので思い切って「僕の願いは、働いている会社にフレックスタイムを取り入れてもらうことです。なぜなら僕は朝が弱く、なかなかパッと起きることができないからです。目覚ましが鳴っても・・・」と語順を入れ替えるべくして朱書きした。文章は数学の計算のように答えが一つだけというわけにはいかないが「相手に自分の意志を伝えたい」という場合は、結論から書くのが良いだろう。

2017/07/10 01:20

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