めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
前向きな想像
某中学校では7月中旬に参観日があり、中学三年生は修学旅行で学んだことなどを文章や写真を使って、グループでまとめ、皆の前で順番に発表するらしい。正直言って例年、生徒たちの口から語られる内容は「部屋が最高に楽しかった」「函館バーガーが最高に美味しかった。それしか覚えてません」「きりたんぽって美味しい!また食べたい」「先生に注意された」といったことばかり。思わず、あれ?座禅体験したのでは?確か中尊寺に行ってるはずなんだけど、全く感想なし?!松尾芭蕉の気持ちを味わえた?!と突っ込みを入れたくなるのだがグッとこらえている。ある日生徒が「参観日の準備のために、必死で想像してでっち上げてるんですよ~。例えば座禅体験をしたおかげで集中力が高まったとか~。」と宣(のたま)った・・・(笑)。「確かにでっち上げ・・・、だって君たちは修学、つまり学問を修めたとは到底思えないしね。でもそうだよね、真面目に座禅をするとおそらく集中力が高まるよね。」と返した。まあ、でっち上げというとなんだか人聞き悪いが、小さな出来事の中に前向きな想像力を必死で駆使して意味を見出すということ自体はとってもいいことだなあ、まさに修学だよなああと思いながら生徒の話を聞いている。人間はどうしても悪い方向に想像してしまいがち、むろんそれは防衛本能として当然のことであり、心配をすることによって難を前もって避けることが出来る。とはいえ、年齢を重ねていくにつれて判断したり考えるべきことが多くなると気が付くと悪い想像で頭がいっぱいになってしまいがち…そんなときに敢えて「前向きな想像」をするというのはとっても健康によさそうで、何か悩んでいることに関しても意外とアイデアが浮かんでくるかも?!と気づかされた出来事であった。
2017/06/26 02:05
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