めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
十勝の「意見文」事情
十勝地方の中学校では夏休みの課題として、全校生が「意見文」を4~5枚書くというものがある。そして新学期にクラス内で一人ずつ意見文を発表し、生徒投票によりクラス代表を決める→校内予選→町内で発表し優秀者が何名か選ばれるという流れが行事となっている。つまり全員、意見文を発表しなくてはならないためサボるわけにはいかず、夏休み中に書けなかった場合は放課後に居残りして書かせるという学校もある。さて、そんなわけで中学1年生時にで「泣きを見た」という生徒が国語塾の門をたたくということがが少なくない。そういう生徒がいるからこそ、中間テストが終わり次第、意見文についての授業を大張り切りで例年行っている。今年も「意見文」についての授業を実施したところ「そうなんだ!」と何人かの生徒たちが目を輝かせてくれて本当に有り難いのだが、次のような意見を複数聞くことに・・・。「意見文ってきちんとした型があることや反論、反論の反論などの書き方などよく分かりました。でも、型にはめてきちんと書いたとしても絶対に学校では受けません!だって、中学生が評価するわけで、皆はきちんとした意見文を書いていないし選ぶこともできません。結局は受け狙いだったり分かりやすい内容のものばかりが選ばれます・・・」とのこと。確かに彼らの言い分は一理あるかもしれないが、正直言って意見文を書く目的はクラス、学校代表になることではなく、将来的にきちんとした意見を持ち、それらを表現できるようになることである。だから、なんだか腑に落ちない・・・という気持ちがあったとしてもそこは割り切ること!さらには生徒たちには受けなくても大人(先生方)はきちんと理解して下さるので決して「書き損」ではないことを強調した。中学生時代は多感で色々と現実の矛盾なども見えてくる時期だが、意見文を書くという苦労は必ず血となり肉となるのは間違いない、ぜひ頑張って素晴らしい意見文を全員に書いてもらいたいものだ。
2017/06/24 05:02
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