めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
腹いせ
ある日生徒から「腹いせってどういう意味ですか?」と質問を受けたので「怒りや恨みをほかに向けて気を晴らすこと。例えば、イライラや怒りが収まらずどうしようもなくて椅子を蹴ってみる・・・つまり関係のないものに八つ当たりをして一時的にスカッとする、みたいなこと」と一応一般的な意味を伝えた。それから後にいくつか例文を挙げてみたのだが、納得したような納得しなかったような。そもそもが説明する側が「腹いせ」の語源を知らなかったので納得させようがない。というわけで急きょ、語源を調べてみた。語源は2通りあり、①「腹を居させる」から転じて「腹居せ」というふうになった。つまり「腹が立った」状態から「腹を居させる(座らせる)、落ち着かせる」という意味。②「腹癒せ」からきているというもの。「癒せ」というのは言わずもがな、癒すという意味で立腹した腹を癒す、慰めるということで「腹いせ」というわけだ。うーん、どちらの説も正しいようにも思えるし、そうでもないように思え、どちらを信じるかは本人次第。さて、実は「腹いせ」の語源を調べるまでは由来を自由に想像しており、そのうちの一つが「腹いせ」→「払いせ」(腹が立つことを払う、どける)だとか、「いせ」→「伊勢」という漢字に勝手に変換し「そっかあ、立った腹を伊勢まで飛ばしてしまうと怒りが静まるかなあ。江戸時代は伊勢参りというとあこがれだったよなあ。」などと楽しんでいた。むろん、さすがにこの説はあり得ないだろうとは思っていたが(苦笑)。ただし、発想は自由!腹が立ったら八つ当たり行動をするのではなく、意識や視点を変えたり他にそらせるというのが有効か。この時に、真面目にあれやこれやと「どうやって意識をそらせよう」とするのではなく、あくまで軽い気持ちで自由な発想にというのがポイント?!体は一気には移動できないが発想は無限大?!
2017/06/08 15:52
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