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小さな国語塾のつぶやき

楽しくなくなった時が引き際?!

中学生が苦手とする熟語に「さいげんがない」がある。正しくは「際限がない」となるのだが、そもそも中学生は「際限」の意味が分かっていないので「際(さい、きわ)」は「ぎりぎりのところ、端、境目」という意味があると伝えて説明している。さて、「際」が「きわ」という読みで使われている言葉に、去り際、散り際、別れ際、窓際、瀬戸際、土俵際などがある。「際」はとかく人の本性がむきだしになるところ、だからこそ誰もが自分の美学にそった納得できる引き際をと願う。さて、自営業の場合は引き際を自分で決めることが出来るのだが、自分は「仕事が楽しくなくなった時」≒「仕事の引き際」だととらえている。むろん、こんな甘い?考え方は自営業ならではだと自覚している。逆に言うと、自営業は「楽しい」という気持ちを持続できなければ、続かないものだと思う。その楽しさとは、人から見ると「苦労」でも自分の糧とし、後々に振り返ってみて「あの苦労も含めて楽しかった」といえるようなもの。さて、昨日は前から行ってみたいと思っていた中華料理屋さんに、迷いながらも到着。スマホ、ナビなしなので、やむを得ず店に電話して道案内をしてもらったので帰り際に、お料理が美味しかったことと道案内をしていただいたお礼を申し上げた。すると、店主がわざわざ厨房から出てきて下さり延々と30分以上、中国での修業時代の話、はたまた蒋介石と毛沢東の関係性、その時代の財宝の話(今にも食べることが出来そうなぐらいに精巧に作られた翡翠製の白菜や北京ダックの話)を楽しそうに教えて下さった。料理人の道に入って50年、お店を開いてから26年目だとか・・・。「え?言葉の壁など大変だったのでは?」と申し上げたところ、「元々メニューは中国語だし、絶対に普通では見ることのできない財宝を見たりして、それはそれは楽しくて・・・」とのこと。まだまだお元気そうなので「引き際」は先になりそうで、今後も食べに行こうと楽しみだ。と同時、どの業界でも長く続ける秘訣は「楽しい」と思えることだよなあと改めて実感した。さ、おいしい中華でパワーを補給したのでこれからも「楽しく」仕事しよう。

2017/06/04 14:13

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