めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
特別な比喩表現
「ガラスの心」、「蚤(のみ)の心臓」、「桜」、「ドア、扉」と聞いたり見たりするとどんなイメージがわくだろうか?むろんイメージは人それぞれの今までの経験などに基づくものなので自由なのだが・・・・。でも、国語においてはいわゆる一般的にこれらが表す意味が決まっており、それらを覚えておかないことには点数に結びつかず、それどころか前後の内容とバラバラになってしまい意味不明になってしまう。「ガラスの心」=「繊細で傷つきやすい心」、「蚤(のみ)の心臓」=「気が小さくて臆病」、「桜」=「いさぎよさ、はかなさ、美しさ」、「ドア、扉」=「人生に立ちはだかる困難」と言った具合に「昔から日本人の中で受け継がれている一般的な」意味を覚えておく必要がある。今の若い道産子たちにとっては「ガラス」=「強い」だろうなあと思いつつ(なぜなら建造物に使われるガラス類は北海道はすべて強化ガラスで、とにかくちょっとやそっとでは割れないのだ!)、生徒に「一般的に、ガラスのイメージはどんなものだと思う?」と聞いてみたところ「僕の中ではガラス=強いとなりますが、一般的にという限定があるとガラスは弱いものでしょうか?漫画などでパリーンとガラスが割れるシーンなどがありますし」という素晴らしい模範解答が返ってきた!(拍手👏)。思わず聞く相手を間違えなくてよかった~~~と内心ほっとした。また北海道の桜は本州とは全く種類が違うため「桜吹雪」「パッと咲いてパッと散る」と言われても見たことがないので実感がわかないだろうし、なぜ昔から日本人が「桜」を愛でるのかも理解できないだろうなあと思いながらも、必死で「実は君たちが思っている桜は本州とは全く違っており、本州の桜は・・・・」と説明し、とにもかくも日本人にとっては「桜」とは特別な花だということを強調した。そういった昔からの一般的な意味を知らないため「桜」が意味するものとして「悲しさ」「はかなさ」「むなしさ」の三択で迷ってしまい前後の文章から「むなしさ」を選んでしまった生徒もいる。本来は4択で、前後の文脈から一つは明らかに違うと排除、残り3つで迷い・・・確かにどれも正解に思えてしまうのはよく分かる。ただ、日本人にとって「桜」は特別な花で「マイナス」イメージは少ないと知っていれば「はかなさ」という正解にたどり着く。というわけで次回授業では、道産子に対して画像付きで、比喩についてまとめたプリントを作成し配布予定。
2017/04/29 14:29
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