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小さな国語塾のつぶやき

朧月夜

昨日は月に一度のラジオ出演、お題は「春の言葉」であった。前もって色々と調べてみると、春を表す言葉の多いこと多いこと!その中で個人的には「朧月夜」がお気に入り。とはいえ、「朧月夜」が春の言葉だときちんと知ったのは今回のラジオ出演のための下準備をしている時だ(汗)。単純に考えてみれば唱歌で「里わの火影(ほかげ)も 森の色も 田中の小路(こみち)を たどる人も 蛙(かわず)のなくねも かねの音も さながら霞(かす)める 朧(おぼろ)月夜♫」と歌われているのだから、春を表す言葉だと分かるはずだが自分の中では源氏物語に出てくる登場人物の名前という印象の方が強かった。さて、昔は月がはっきりと見える方が好きで、雲に隠れていたり霞んでいるとムッとしていたが「朧月夜」という言葉を知ると、今まさにこの時期に霞んでいる月を見ると「あ、朧月だ」とワクワクする。昨日は新月だったので朧月どころか全く月は目には見えない日だったのだが、それでも「新月」という言葉に反応しワクワクする。これから徐々に光が見えてくると思うと楽しみであると同時に「新月にはパワーが集まっているから願い事をすれば叶う」といった言い伝えすら頭によぎるのだ。吉田兼好も徒然草の中で「花は満開のときだけを、月は雲りがないのだけを見るものであろうか、いやそうではない。降っている雨に向かって(見えない)月のことを慕いすだれを垂らして室内にこもり春が移り行くのを知らずにいるのも、やはりしみじみとして情趣が深い。」と言っている、その意味がようやく最近実感できるようになってきた。それは言葉の持つパワーや意味のおかげ、そして「朧月夜」という言葉は既に平安時代には存在していたわけであって・・・。言葉も持つパワー、重みを感じながら楽しいラジオトークの時間を過ごさせていただき改めて担当者M様には感謝である。

2017/04/27 11:15

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