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小さな国語塾のつぶやき

お客は家族

「お客様は神様です」という有名な言い回しがある。歌手である故三波春夫氏が述べた言葉で、本人の真意とは別方向に言葉だけが独り歩きしており下手するとクレーマーに都合よく使われてしまう。ちなみにこのセリフを言った真意は次のようだ。『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです』三波春夫著『歌藝の天地』(1984年初刊  2001年文庫化  いずれもPHP研究所)より。正直言って、お商売をしている自分にとって生徒はお客様ではあるけれど神様だとは思っていない。大切な存在ではあるけれど、お互いに上下関係が生じるのおかしいし・・・でもこの関係を表現するピッタリの言葉が見つからないなあと長年思っていた。そんな矢先に「『お客は家族』社員徹底」という吹き出しで、熊本市・鶴屋百貨店の紹介がされている記事をを15日付の十勝毎日新聞で読んだ。近年、全国的に百貨店が苦境に立たされている中、鶴屋百貨店は躍進しているという内容の記事。実はン十年前に熊本県に住んでいたことがあり、鶴屋百貨店には何度も足を運んだことがあるが…当時も今も変わらず居心地がいい素晴らしい百貨店だと思うと嬉しくなる。と同時に、その居心地の良さは「お客は家族」という信念によって保たれているんだなあと納得する。成程「お客は家族」という言葉が自分の仕事にもピッタリかも・・・そしてそう意識することによって今後の指導方針などが見えてくるだろう。

2017/04/16 03:11

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