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小さな国語塾のつぶやき

心象風景が大切

物語や小説では個性的な表現を分かりやすく言い換える必要があると昨日のブログで書いた。さらには物語や小説では「心象風景」から、どんな場面からのスタートなのかをきちんと把握することも大切!!心象風景とは、読んで字のごとく登場人物の心情を象徴した風景。例えば「荒れる灰色の波」「ねんど色の低い空」「海岸の黒っぽい砂」など(佐藤多佳子「黄色い目の魚」より 小学6年生テキストから抜粋)という表現が冒頭部に散りばめられていると登場人物の気持ちや置かれた状況は○△×で表現するならば△や×となる。ちなみに「花火の残骸」という表現から「私」のどんな気持ちが想像できますか?という問では「ものさびしい気持ち」が正解になる。ところが心象表現を意識せずに「花火の残骸」の「花火」にだけ反応してしまった某生徒は「燃え上がるような気持ち」を選んでしまった。問われている傍線部だけに着目するのではなく、全体を見る、「心象風景」を見つけたらチェックしておくとよいだろう。とはいえ、すべてにチェックをすると傍線、チェックだらけになってしまい見づらくなる危険性もあるので、取りあえず物語の最初に○△×と書き込むように指導している。さて、別の物語では出だしの部分に「巨大なクエに、尊敬する父の命をうばわれたあと・・・・」という表現があり、この文章だけを見ると一瞬「暗い話?」△か×?と予測するだろうが、第一段落に「嵐さえもはねかえす屈強な若者になっていた」「水の感触が心地よい」「光が・・・輝きながら交差する」(立松和平「海のいのち」より)という表現があるので、これは登場人物の様子、心情としては○からの始まりと判断した方が良いだろう。物語は表現法が多岐にわたるので難しいが、だからこそ心象表現を見つけて登場人物のおかれた立場を把握することが大切。

2017/04/13 01:15

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